カテゴリ:2007ペットフードリコールとその後
10/17追記:この記事の内容については、さらに新しい情報があります。
こちらもお読みください→メラミンの最新データと許容摂取量 昔のデータでメラミンの許容摂取量を語っても、意味がありません。 中国で混入したメラミンそれ自体が、メラミン以外のモノが数%混ざったいわば"汚染メラミン"だったため、それまでの実験とは異なる振舞いをして腎臓を詰まらせた。 それがわかったのは、昨年4月です。
今日、こんな新聞記事がありました。 メラミン・汚染米問題:混入疑いの食品、保養所などに8600食分--品川区 10/1 毎日新聞
パン 1個ぐらいなら平気ってのは同感ですが。 「内閣府食品安全委員会が示す許容量」と書いてあるので、食品安全委員会HP に行ってみました。 メラミンについて(2008.09.26更新)[PDF] 9/26 食品安全委員会(内閣府)
今度は FDA と EFSA が出てきましたよ。 まず、FDA に行ってみましょう。 Interim Melamine and Analogues Safety/Risk Assessment 2007.5.25 FDA
太字の部分を訳すと、食品安全委員会の文書の「NOAEL(無毒性量)の最小値~」になります。 最後に「2」と脚注があるので、そこも見てみます。
なんと 2002年の出版物のデータでした。 さらにバラしちゃいます。 ラットに13週間食べさせて膀胱結石。63 mg/kg。 これ、最初の表で紹介した「既存化学物質安全性(ハザード)評価シート」に載ってます。 既存化学物質安全性(ハザード)評価シート メラミン 化学物質ハザードデータ集
「10,15)」と脚注があるので、そこも見てみると。
1992年と1995年のデータです。 「実験で使うようなちゃんと精製されたメラミンはほとんど無害だけど、中国のワルモノが入れるようなジャンクメラミンだと、腎臓でメラミンとシアヌール酸が反応しちゃう」ってことが昨年4月に明らかになったのに。 乳児に腎臓結石が出ている以上、牛乳に入れられたメラミンもジャンクメラミンに間違いないのに。 大昔に「ちゃんと精製したメラミン」で出した数字で「体重1キロあたり1日0.63mg までなら大丈夫♪」って、そりゃないでしょう>内閣府 EFSAのほうも見てみましょう。 Statement of EFSA on risks for public health due to the presences of melamine in infant milk and other milk products in China 2008.9.24 欧州食品安全機関(EFSA)
シアヌール酸(cyanuric acid)で検索してヒットした部分です。 「2007年のときは~」と振り返ってるだけですね。 ジャンクメラミンを想定した新たな基準値を設定したわけでは無さそうです。 長々書きましたが、そういうわけで、内閣府や厚生労働省に書いてある 「体重60kgの人が1日当たり許容できるメラミンの摂取量は0.63×60=37.8mg」 という数字は、今回の牛乳汚染に対しては全く信頼できません。 問題を正確に把握してほしいものです。 <関連記事> 猫に優しいミニ情報【掛川】野良猫不妊手術費一部助成金 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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