タランチュラ

前回の話しの続きです。




中学三年からずっと仲良くしている、 チリちゃん、誠也君、大輔君、私の4人は先日、

久しぶりに再会し、楽しい時間を過ごした。



4年前の大輔君の離婚時には、私とチリちゃんは「大輔君の妻」に対して強い怒りがあった。

もちろん離婚の原因が「妻の浮気」である事に怒っているんだが、





何が気に入らないかってね・・・



それは前妻の体型が気に入らない　



所詮、私達には関係のない事なんだが　



でも一言申し上げたい。



病的に太りすぎている．．．．．だから気に入らないんだよ。



身長は私と同じ位で163～4センチで、体重は多分 120キロ～140キロ ぐらいはあるかと思う

（目分量で測定不能）


多分、飛行機のエコノミークラスには座れないかもしれない



ぽっちゃりでは済まされない。

ただの百貫デブだ。




ちょっとダイエットすると軽く20キロぐらいサクサク落ちるそうだ。

前妻とは、何度か会った事がある。

「私、20キロ痩せたんですけど、わかりますか？」と明るく聞かれたが、

私は正直に 「わかんない」と答えた。



20キロ落としても気がつかれない位太っている事が、そもそも太りすぎなのである。

チリちゃんと私は陰で

「うちら、20キロ落ちたら他人に気がつかれるし、入院してるか死んでるよね」

と笑っていた。




太りすぎていると言う事は

だらしなさ過ぎである。

その神経が気に入らない。

自分に甘いだけだ。





そんなに太ってて、大輔君や、将来の子供への食生活は期待出来ない。

大輔のお母さんも、前妻を気に入ってなかった。

理由は知らないが、私は太りすぎが原因だと思っている。

大輔んちは、妹もご両親みんなスリムだ。

そんな家系に百貫デブの生活は受け入れられないと推測する。




結婚後の食生活は、それはそれは凄い量のオカズが食卓に並んでいたそうだ。

すぐに大輔と前妻は子供に恵まれたんだが、妊娠6ｹ月まで「妊娠している事」に気が付かなかった。



太り過ぎで多少腹が出てもわからなかったらしい。

生理の不順で、妊娠に気が付かなかったらしい。



その時点でも「だらしがない」




出産し、子供が1歳位ですぐに働き出した。

大輔君は「俺が安月給だから働いてもらわないとやって行けないんだ」と言っていた。

私は心の中で「妻の食いすぎで、エンゲル係数が高いだけだよ」

と思っていた。




前妻は　働き出してから　浮気をしたらしい。





「あの女で立つのは俺しかいない」と豪語していた大輔なのに・・・・

あの体型で他にも男を作る事にびっくりした




大輔は、「俺の欠点は、まさか妻が浮気するとは疑いもしなかった点だ」と言ってた。



あんたは・・・・どこまで優しい奴なんだ・・・・




誰だって、百貫デブの上に「大輔、大輔」と結婚前から追い掛け回していた女を、

浮気するかもしれないと、疑いもしないだろうよ。



可愛くて若い奥さんを貰って、浮気されたのなら

「大輔も可愛い嫁さん貰いすぎたね、あの子ならやりかねんよ」と、なだめたくもなるが・・・・



こうも、不細工で百貫デブの嫁が浮気したとなると

同じ女としてどうしても許せない　




離婚が成立した時には、前妻は浮気相手の子供を妊娠していた（妊娠五ヶ月）




大輔は我が子の「親権」を取りたかったんだが、取ったとしても日中子供の世話をするのは、自分では出来ない。

保育園に入れたとしても、送迎やら何やらと結局、大輔の両親に頼るしかない。

大輔は両親とも話し合った結果、親権を放棄した。




（ここから先は推測です）

離婚時には大輔は　35歳だった。

今後、やり直しが利く年齢である。

子供がいるよりもいない方が、次に進みやすい。

相手が浮気したから、養育費の支払いもない。

よって、全くの独身に戻るだけだ。

両親は孫の面倒を見るのを、拒んだのではないかと推測する。

孫を取るより、大輔の新しい人生の方に期待したに違いない。







で、話を戻すが。




大輔は、あれから4年間　離婚の苦しみや傷ついた事に耐えながら生きてきた。

我が子を忘れられなくて、会いたくて苦しんだ。

特に彼女も作らなかったし、再婚しようとも思わなかったらしい。





1/2に再会した時には、マンションを購入していたので

「どうしたの？再婚でもするの？」と聞いたら、

「いや、その予定はないんだけど。そういう方向で考えて行きたい」と言う。




ほぉ～～～　随分と吹っ切れたみたいだ。



私は「色々と吹っ切れたんだ？」と聞くと

大輔「色々と背負い込んだんだよ」と笑っていた。




私「今後、再婚してまた子供でも欲しいと思えるようになったの？」

大輔「うん！！そう思っている」

私「そっか、良かったね」




大輔「あのさ・・・・誰か紹介してよ」



私「来たね！！　ついに来たね、その言葉

私ね、今日ここに来るまでに、大輔とこんな話をするんじゃないかと予想はついてたんだ。

つい先日ひらめいた事があってね。

大輔にぴったりの女の子が私の頭の中に湧いてきたのよ。」



大輔「どんな子？」


私「年は32歳。　どんな子ってねぇ～～女に好かれる女かな？」


大輔「・・・・その発言　怪しい。女が女に好かれるって、性格はいいんだろうけど余り・・・あれだよね？」


私「ふふふ、可愛いよ

でもね、一言釘さしとくけど

本当に過去の事が吹っ切れて、再婚の意志があるなら会わせるけど。

適当に見たいだけじゃ会わせないよ。

女の子も３2歳だし、真面目に結婚を考えているんだよ。

だからムダな時間を取らせたくないんだよね。

あんただってね、もう今年40歳なんだよ。

子供が欲しいなら　今更　年上の女は無理でしょ？

年下の女と結婚したいなら、かろうじて30代の今年あたりに目星つけとかないと、

40過ぎたオッサンじゃぁ、若い子を嫁に貰える確率が下がるからねっ

しかも、バツイチ、子持ちと条件は悪いんだよ。

だからね、真面目な気持ちで会ってもらわないと困るんだよね」


と、言いたい事はしっかり言っておいた。




私「それでも会ってみたいなら、今から女の子にメールして写メール送って貰うけどどうする？」と聞いた。



1/2の正月だったし、女の子も家族と過ごしたりして、すぐ携帯を確認する可能性は低いと思った。




早速メールしてみた。


【ゆきみちゃん、あけましておめでとう

あなたの顔写真、写メールで送ってくれないかな？】と送信した。





実は、年末から　大輔には　ゆきみちゃんが似合うんじゃないかと、

私の脳にひらめきがあって、年末の時点で　ゆきみちゃんに既にメールで確認しておいた。



私【ゆきみちゃん、今彼氏はいるの？】

ゆきみ【いませんよ。婚活中です】

私【婚活中？　彼氏はいるけど結婚相手はいませんとかバカな事を言わないでよ！】

ゆきみ【いやだなぁ～私も32歳ですよ、そんな余裕はありません】

私【わかった。私、ちょっとひらめいた事があるから、そのひらめきが確かだったら遅くても1/4までにメールする。

それが過ぎても私から連絡がなかったら、私のひらめきは終わったと思ってて】

ゆきみ【何だろう？楽しみです】

と年末に　既に布石を打っておいた。



なので、ゆきみちゃんは顔写真を送れと指示をされても、

たいしてびっくりしないだろうと思い、他の用件は入れずに　それのみを送信した。






正月なのに、15分ぐらいで返信が来た




添付されていた　ゆきみちゃんの顔写真を大輔に見せた。

大輔は、写真をじっくり見て　


「会いたい。会わせてください」と満面の笑みで言った。





また　このお話続きます