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タランチュラ

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2010.04.09
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親友のチリちゃんと「越谷ツアー」へ出掛けた。


私は中学3年の春に 香川県から 越谷市(埼玉県)に引っ越してきて、

同じ町内に住む同じクラスのチリちゃんと出会った。



現在は、私は川口市で、チリちゃんは多摩市(東京)に住んでいる。



久々に昔住んでいた街や家を見たいね、と言う話になり、

二人で「越谷ツアー」とネーミングした。





地元の駅である、北越谷駅で待ち合わせした。


北越谷駅周辺は再開発が進み、昔の面影がなくなってしまった。

IMG_3215.JPG




私が19才で1人暮らしをしていたレオパレスを見て、

チリちゃんが結婚した直後に住んでいたアパートを見た。

「あんな ちっちゃいアパートだったっけ?」と二人で笑った大笑い






そして中学校を見て、思い出話に花が咲いた。

IMG_3226.JPG




他の友達の家も、あるのかどうか、表札はまだあるのか?等々見て回った。



しばらく行くと、あるパン屋があり チリちゃんが

「あっ!!エリゼのパン屋がまだあるよぉ~懐かしいぃ~」と言っている。


IMG_3228.JPG



チリちゃんは「ここのパン屋でリリちゃんの姉ちゃんがバイトしてたじゃん!」

私は「そうだっけ?」と言いしばらく固まった。

チリちゃん「そうだよ。朝早いから辛いって姉ちゃんが言ってたじゃん」



私「おおおーーーーびっくりあーーーーー そうだ!そうだ!ぐー

と記憶が蘇ってきた。

よく覚えてんな チリちゃん。






それから我が家を見た。

我が家は まだ父の所有で、賃貸で人に貸している。

IMG_3216.JPG

相変わらず こ汚く住んでるなぁ~と思いながら、バシバシ写真を撮る。



玄関の外に荷物を置き過ぎじゃない?

IMG_3220.JPG





ふーん

公明党を支援している住人なんだ下向き矢印

IMG_3219.JPG




庭に回った。


IMG_3221.JPG


今思うと庭も結構広くて池があり、芝生も母が手入れして綺麗で、犬の太郎が走り回っていたんだよな。




ところが その陰も形もなく 今はジャングルと化していた。


IMG_3224.JPG


こういう 窓から荷物が見えるのも好きじゃない。

IMG_3222.JPG








そしてすぐ近くのチリちゃんちに行った。


チリちゃんちは20年前にお父さんが亡くなった時点で、家を売ってしまった。





なぜ売ったかと言うと。

チリちゃんのご両親は前々から離婚話が出ていた。

お母さんの浮気だ。

チリちゃんのお母さんは大竹しのぶ似の美人な方で、オシャレで年を重ねていてももてていた。

もう明日にでも離婚が成立という時に、お父さんの癌が発病した。






あっという間に亡くなり、お葬式の際にお父さん側の親戚が怒り出した。


「あの女は散々浮気していて、夫の癌が発病したら離婚を取下げて保険金狙いだムカッ

と 近所の人に言いふらし始めた。

で、結局 地元では住みにくくなり、家を売った。

保険金も親戚に取られた。





去年まではチリちゃんちは建っていたらしいが、

今回行くと新築されていて陰も形もなかった。





チリちゃんは、隣に住む同級生の「たまちゃん」の事を前々から気にしていた。




元気にしてるんだろうか?

今 何やってるんだろうか?

会いたいなぁ~と言ってた。



私は「今回、家がまだあって表札が同じなら親が住んでいるだろうから、

ピンポン押してみようよ」と提案した。




チリちゃんは結構 神経質で先の先まで読み過ぎて行動を起こさない事が多い。




「だって こんなに久しぶりに行ったらさ。

よくあるじゃん!昔の同級生が変な宗教とか勧誘したり化粧品売り付けたりさ。

そういうのだと思われるから嫌だよ」




「そうじゃなくても何か重い病気にかかってたりとか、

子供が大きな病気を抱えてたりしたら・・・・

もし不幸な人生を歩んでるなら逢いたくないな」


「それに逆にタマちゃんが変な宗教に入ってて勧誘されても嫌だし」



ブツブツ ブツブツ ショック




次から次へと会わない言い訳をしてくる。




そんな事をほざいてると家の中から、タマちゃんのお母さんが出てきた。

チリちゃんは「やべっ」と言って背中を向けてしまった。




私は「チャンスだよ。声をかけなよ。

たまちゃんが元気で暮らしてるかどうかだけでも聞きなよ」と小声で言った。


チリちゃんは「ダメだよ、ダメだめ。変な人だと思われるから」


私「思わないって。思われたら思われたでいいよ」


チリちゃん「リリちゃんなら 行く?」


私「私なら行くよ、後悔する方が嫌だから」

と言ってチリちゃんの腕をグイッと引っ張って、お母さんの前へ突き出した。




お母さんは「あれぇぇぇぇぇ~~~ まぁ~~~~どきどきハート」と言って大喜びしてくれた。



ほらね、相手も喜んでんじゃん。




お母さんは「タマ、今 家にいるのよ。

いつもはこの時間は会社へ行ってていないんだけど、

今日はたまたま午前半休取って家にいるのよ。ちょっと待ってて」

と言ってタマちゃんを呼んでくれた。




ほらね、勇気を持って声をかけたら偶然にもラッキーな事が重なり会えたじゃん!!グッド





タマちゃんは変わっておらず(だいぶ老けた込んだ印象はあったが)、まだ結婚していなかった(まぁ・・もう無理だと思うけど)。



30分ぐらいの立ち話で盛り上がった。

チリちゃんとタマちゃんは メールアドレスを交換して別れた。



チリちゃんは興奮覚めやまぬ感じで

「リリちゃん ありがとね。本当ありがとう。後押ししてくれてありがとう。

あの後押しがなかったら私行けなかった」と感謝していた。



それからも あちこち見て周り、もう行く所がないなと言う時に、私は切り出した。





「どうしても見たい所があるんだけど。

会いたいんじゃなくて行くだけ。Y君の家を見てもいいかな?」と言った。




Y君は、19歳から1年間だけ付き合ってた人で、忘れるのに数年かかった思い出の人だ。



Y君は専門学校を卒業したらトヨタのディーラーに勤めて、整備士をしていた。

その後、ご両親が整備工場を経営しているので、そこを継いでいると聞いていた。




工場兼自宅は今でもあり、お父さんらしき人が車の下に入って修理していた。




私達は、道路を挟んで目の前の駐車場へ車を停めて見ていた。




そうこうするうちに、お客様が車で乗り付けてきて、Y君が接客のために出てきた。




私とチリちゃんは「おおおーーーーーびっくりY君だ Y君!!」



「ぎゃーーーー全然変わってないじゃん。遠めだからよくわかんないけど、

ハタチの頃のまんまじゃんねぇ~」とゲラゲラ笑ったスマイル




「あれだけ変化ないのも凄くない?すっげーーーー若く見えるぅぅぅぅ」と盛り上がった。



「あれ?でもハタチの顔と変わらないんだけど、なぜハタチに見えないんだろうね」

とチリちゃんが言うので、よく観察したら



「歩き方が オッサンになってるよぉぉぉ~」と私が言うと 2人で大爆笑した。





Y君は私と別れて Mという女と付き合い23歳で結婚してすぐ子供も出来た。



私はふられたわけだけど、当時20歳だったので

「まだまだ結婚しないだろうな」と思い、いつか私の所に戻ってくるかもしれないと

未練タラタラだった。


そしたらすぐに結婚してしまったので、なんで結婚相手が私ではなく、

あの女だったんだろう???と何度も何度も悔やんでいた。




私も23歳で越谷を離れ 浦和市で1人暮らしを始めた。

それから徐々に忘れる事が出来きたんだけど、誰と付き合っても長続きしなかった。






チリちゃんが

「会うの? 会いに行けば? さっき後押ししてくれたから今度は私が後押ししようか?」

と言ってくれた。




私は、そそくさ化粧直しをしたが・・・・・




「やっぱり 会わない。

チリちゃんみたいに女同士なら会えるけど、私達 男と女だから。

会ってどうなるもんでもないし。

お互い家庭があるし。

良い思い出は良い思い出として取っておく事にする」と答えた。






チリちゃんは「そっか」と言ったまま黙っていた。



私は なんか・・・なぜだか 胸が締め付けられる思いがした。

でも すっきり感もあった。




私は「ありがとね。なんか別れてから20年間 胸につっかえていた物が、

今日で取れた気がする」と言った。



チリちゃんは「20年って凄いね。はるか昔の事になっちゃったね。」


私「人生って不思議だね。

タマちゃんとチリちゃんはお隣同士だったんだから、あのまま親友として付き合っても

良かったのに、こうやって私と親友になってるしね。

私はY君と結婚したかったのに出来なかったしね。

めぐり合わせってあるんだね。」


チリちゃん「本当だよね、親友にはならなかったよね。」


私「チリちゃん、今月で40歳だね。タマちゃんにも会えたし、

私はY君チェックも出来たし、なんかすっきりとした40代を迎えられそうだよ」



と笑いながら Y君の工場を後にした。



















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Last updated  2010.04.12 05:17:07
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