タランチュラ

子供達をスイミングに連れて行った帰り道。


信号待ちで止まっていたら 後ろから ガシャンと言う音がした。



車がエンストしたように（うちの車はマニュアル車） 少し車がガタガタと揺れた。

エンストしたのかと思い確認したが、どうやらエンストはしていないようだ。



うちの車の荷台には常に子供達の自転車を2台乗せているので、

その自転車が倒れたのかと思って後ろを振り返って確認したが、自転車に変化なかった。



後ろを振り返った時に、後方の車が必要以上に至近距離だと感じた



その時初めて


「あ、オカマほられた」と認識した。





チョコンとぶつけられた程度だ。





私はハザードを出し車を端に寄せた。

後ろの車も続けてハザードを出し止めた。



（あっ、やっぱり後ろの運転手も止めると言う事は オカマほられたんだな）

と改めて認識した。




車から降りて私は開口一番


「ぶつけましたよね？」と聞くと


相手の運転席の女は

「えっ？ぶつけましたっけ？」と言う。



私は「今 ガツンって当たりましたよね？」と再度確認すると


「いや、あなたが車から降りて来たから私も降りてきただけだ」と言う。





いやいやいやいやいやいやいやいや

何言うとんねん！

　


こんな交通量の多い道路で、前の車が止めたから自分も止めたと言うのは明らかにおかしいだろ？
　　

ぶつけてないなら、無視して進むだろ？


ぶつけたと言う認識があるから、あんたも車から降りて来たんだろ？と思ったけど、

それは言わなかった。




私は「ぶつかりましたよ」と更に言うと


相手の女はわけのわからない事を口走っていた。



（こいつ、てんぱってんな）と思った。



でも、見た目には　たいして傷はないし、ぶつけたと言う事を認めて謝ってくれたら許してあげようと思っていた。



30歳前後の若い女性で可愛い感じの人だったし、私は許そうと思っていた。


許そうと思った最大の理由は、 私が一ヶ月位前に佐川急便の集配所の塀にぶつけた跡があり、

その上にかぶさるようにぶつけられたから、 はっきり言って、彼女が傷を付けたのは

ほとんどないと思っていたからだ



だから示談と言うか、金も要らないし、認めてくれて謝ってくれたら、

流そうと思っていた。



なのに「ぶつけていない」と言い張る



そう出てくるとは　予想外だった。


認めないって有りかよ？



そしたら、助手席に乗っていた40歳前後のふてぶてしいオバハンが降りてきて、

「ぶつかりそうだったけど、私が気がついてサイドブレーキを引いたからぶつけてない」と言う。





カンカンカーン 　　



私の脳の中で戦いの火蓋が切って落とされた。




おまえら2人揃って「ぶつけてない」と言い張るのか？

いい根性してるじゃねーかよ




私は冷静な口調で

「どうしますか？」と聞いた。




2人揃って まだ「ぶつけてない」と言い続ける。

焦っているから　日本語が支離滅裂である。




私は「らち明かないから警察呼びましょ」と言ったら



2人は「あなたが納得行かないなら呼べばいいんじゃない？

警察が調べれば事実が判明するから」と自信ありげに開き直ってきた。




なんで逆ギレされるのか サッパリ意味がわからない


私が携帯電話を出すと、ババアの方が「私がかける」と言って そそくさと通報していた。



電話口でも

「ぶつけていないけど、相手がぶつけたと言って納得しないから来てください」と言っている。



はぁ？

どういう神経しとんじゃボケ！！！！



と思うが、カッカッと意気込んでいるオバハンに自分はなりたくないので、聞いてないふりをして無視をしていた。

私の軽自動車の後ろには、会社名が書いてある。

会社の看板をしょったまま　「怒り狂ったオバハン」には　どうしてもなれなかった。





10分後、警察が来た。



2人とも お巡りさんに向かって

「お疲れ様です。お世話様です」とやたらに挨拶しているから



（ん？こいつらこのお巡りと知り合い？ん？こいつらも警察かなにか）と

ふと思わせるような態度だった。





お巡りさんが現場検証をしている横に、40歳オバハンは入って行き


「私がサイドブレーキを引いたからぶつかっていない」と 往生際悪く言い訳をタラタラ言っていた。



お巡りさんは「はいはい」と聞き流していた。





数分後、お巡りさんは

「はい、運転手だけ来て」と言い、

私と30歳の女だけがお巡りさんの前へ行った。




お巡りさんはメジャーを持ちながら女に説明した。


「あなたの車のこことここに前の車の塗料が付いてます。この2カ所の塗料の間が27センチ。

前の車の傷の間が27センチなので、あなたがぶつけたのに間違いないと思いますが、いかがですか？」 と言うと


女は何て言ったと思う？



困った顔をしながら

「どっちでもいいです」と言った。



私はズッコケそうになった。


何がどっちでもいいのか？意味がわからない。




お巡りさんも鼻で笑いながら

「どっちでもいいじゃないんだよね？」と言うと



女は 「どうでもいいです」と言う。



何がどうでもいいのかしら？




さぁ　



あなたがぶつけた事実が判明したから謝って貰いましょうか！！！！

と私は待っているが、女は一向に謝って来ない。





お巡りさんに 免許証や車検証、自賠責の書類を確認してもらっている最中も

コソコソとお巡りさんに

「修理屋はどこまで直すんですか？

あのバンパーの端にある傷は私の責任じゃないから、

そこまで一緒に直されたら困るから証拠写真を撮りたいんだけど」と言っている。



お巡りさんは「撮らせて貰えるかどうか頼んでみたら？」と言っている。



確かに端の方にある傷は私がずっと前にこすったやつだ



女は私の所に来て

「あのバンパーの端の傷は私の責任じゃないので、証拠写真を撮らせて欲しいんだけど」と言う。



カンカンカーン

二度目の戦いのゴングが鳴った。




最初は許そうと思っていたのに、40歳のババアにムカついて許さないと決めた。



が、この30歳の女、　　

おまえも許さない。




人としてまずやるべき事をやらないから許さない。




おまえがまず１番にする事は証拠写真じゃねーだろ？


まず事実を認めてなぜ謝らない？


すいませんの一言がなぜ言えない？


自分は悪くないの一点張りだ。




警察にあなたが悪いと断定されたのにもかかわらず、

なぜ 今 「ぶつけた以外の所は直したくない」と言える神経があるのか？


そこまで頭が回るなら、まず謝れよ。



私はいたって冷静に

「写真はお断りします。

どこまで直すのか、バンパーを全部取り替える必要があるのかどうか、

全て保険屋と修理屋が決める事です。保険屋も馬鹿じゃないので必要以上の事はしませんよ」

と突っぱねた。




お巡りさんも「そうだね」と言った。



なんかね、相手の態度が馬鹿すぎて　こちらが冷静にならざるを得ないというか・・・・

「普通の顔して、やっぱりこんな人が世の中にいるんだなぁ～」と思ってしまったよ。




お互いに名前、連絡先、車のナンバーを書き交換するようにお巡りさんの前で今すぐやるように指示された。


お巡りさんは女に

「今日中に保険屋に連絡するように。後は保険屋さんの指示に従うようにね」と言った。



私には「早くて月曜には保険屋さんから連絡が来るだろうから、指示に従ってね」と言った。






そして、その場を去る時になった。

お巡りさんは「家に着くまで運転には気をつけてね」と 私達に言った。

私は「ありがとうございました」と一礼した。




女とババアはお巡りさんの顔も、私の顔も見ず、怒った態度で車に乗り込んだ。


あらら？

あなた達　


お巡りさんが現場に駆け付けた時は、少しでも罪を軽くしようと、

見方に付けようと、やたらに挨拶していたくせに

自分が悪くなるとそんな態度で現場を去るのかい？




なぜ、加害者が怒った態度なのか？


私の方が怒りたい身分なのだが？




女の車の後部席には 中学生と小学生くらいの子供が乗っていた。

どっちがどっちの子供かわからないが、こういう親がいるから

モンスターペアレントとか 言われちゃうんだね。


自分の非は認めないってやつだ。


こういう人間は本当に馬鹿だよね。



最初に一言「すいません」と言ってくれれば 警察も呼ばないし、保険屋もいらないし

お金もかからなかったわけだよ。



でも、私の怒りに触れて お巡りは呼ぶし、佐川急便の塀でぶつけた傷も全部

女にかぶせる事にした。


誠意を見せない奴には、私は「倍返し」をする。





さぁ、来週からどう出てくるかな？

保険屋だけで終わりかな？

本人から電話連絡ぐらい来るのかな？



楽しみ、楽しみ。