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ある日、1本の電話が鳴った。
「○○警察ですが、メタ男さんいらっしゃいますか?」と電話がかかってきた。 どうやら本物の警察らしい。 すぐ夫に変わった。 夫は 「はいはい。はい。・・・・・・はい。はい・・・・・・・はい」 と繰り返し、一方的に話を聞いている様子だった。 しばらくすると 「9月頃だったかもしれません」 「ん~~~~軽く7~8年は経ってると思います」と 答えている。 そして 「趣味で」 とも答えている。 な、な、何だよ?何の趣味だよ。 変態の趣味でもあるのか? 警察が何の用があるんだよ。 私は胸がドキドキして聞き耳を立てていた。 聞き耳を立てても、警察の声は聞こえないので心配は募るばかりだ。 さては、夫よ、何かやらかしたか? 窃盗か? 詐欺罪か? どんな詐欺をやらかしたんだよ。 優しい顔してるから、人を騙しやすいかもしれない。 それとも 婦女暴行か? 婦女暴行の趣味か? いや~~~~~いやだ。婦女暴行なんて嫌だよ。 残された家族が恥ずかしいよ。 殺人か? 殺人なら 私達残された家族は生きていけないじゃないかよ。 そんな事を考えていたら、涙が出そうになった 夫がやられた側じゃなくて、やった側なら(加害者、罪人)になる方が辛い。 私達はどの面下げて今後生きて行ったらいいのよ うちの会社も終わったな。 7年という短い歴史に幕を降ろす時がきた。 こんな理由で会社を消滅させるには、どんな手続きを踏むんだろう? 私達夫婦は最低でも離婚はしなきゃならない。 近所には恥ずかしくてこの家に住めないな。 この先、どうやって生きていこうか・・・・・。 そもそも、メタ男ちゃんは なぜ罪を犯したんだろうか? 夫43歳。 彼の半生を振り返った。 確か・・・昔、 警察の試験受けて合格してたって言ってたよね? 従兄弟達は警察や自衛隊が多いからって自分も受けたじゃん。 消防士も受けたじゃん。 でも結局、2つとも蹴って 「凸版印刷」に就職したんだったよね。 周りからは「何で公務員蹴って、印刷会社なんだよ」って突っ込み入れられるような方向転換だったじゃん。 それからリフォーム会社に転職したんだよね。 30歳で私に出会って32歳で結婚した。 35歳で独立した(させられた) あれから7~8年の間に何があったんだ。 メタ男ちゃんは いつもドーンと構えていて動じない感じがする。 よく言えば落ち着いているが、悪く言えば トロイ。 だから私はいつもガミガミ罵声を浴びせていた。 さすがの彼もストレスが溜まったんだろうか? 何か思い詰める事があったんだろうか・・・・・。 落ち着いているように見えて、本当は心に爆弾を抱えていたんじゃなかろうか。 10分後。 夫は静かに電話を切った。 「ど、どーしたの?何があったの?」 と聞くと、夫はニヤニヤ笑いながら 夫は 「いやぁ~~~~~~俺さ、警棒もってるじゃん」 そう、彼は警棒を2本も持っている。 伸び縮みする、こういうタイプを2本所持している。 こういうのが好きみたいで、7~8年前に1本買い、一昨年9月位に2本目をネットで買った。 夫は嬉しげに「泥棒や凶悪犯が家に入ってきた時におまえ達を守る」と言いながら 寝床に1本、バックに1本備えている。 いやね守ってもらっているつもりは サラサラありませんよ。 地震でも起きないし、あんた 朝すごく弱いじゃん 夜中に泥棒が入っても気がつかないよ、あんた。 私は「でっ?警棒がどうしたのよ」 夫「この前の○○○で起きた殺人事件の現場に、俺が買った警棒と同じ物が落ちてたんだってさ。 買った人を調べたら俺に行き当たったらしく、まだ警棒は家にあるか?と聞かれたんだよね」 私「1回、無くなったじゃん。あんた 犯人だろ?白状しろよ」 夫「あはははは、やめてくれよ。どうして買ったのか理由も聞かれたよ」 私「あぁ、だから趣味でって言ってたんだ」 夫はワクワクしながら嬉しそうに 「いやぁ~~警察って凄いね ネットで買ったから足跡はつくのはわかるんだけど、捜査能力って凄いね。 あの警棒さ、本物だから 警察か、よっぽどこういう趣味の人しか持ってないんだよね」 そんなに嬉しいのか? 私がどんだけ心配したか、わかってんのか? 私 「そんなに警棒が好きなら、数十年前に警察受かったんだから、おまわりにでもなってりゃ良かったじゃんかよっ」 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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