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カテゴリ:仕事
今日は娘の6才の誕生日だ。
もう、産んでから6年も経ったのかぁ~(当たり前だけど感慨深い) で、今日は全然 違う話題です 以前より このブログで書いていた 大工のヨッシー兄弟。 ヨッシー69歳、兄76歳。 7年前の設立以来ずっと、うちに来てもらっていた。 兄は老化のため、今年3月いっぱいでとっくに辞めてもらっている。 ヨッシーだけ来てもらっていた。 多分、ヨッシーはうちが肩を叩かなくても、自分からキリの良い時期に辞めるだろうと思っていた。 とうとう その時期が、7月になってしまった。 やっぱり ヨッシーは自分から「引退宣告」をしてきた。 ヨッシーは昨年から肺の病気を患っており、大工業務は出来るのだが、重い荷物は運べない。 なので、ヨッシーが入る現場には、他の大工(戸田さん)をセットで付けていた。 私としては、重い荷物が運べない時点で、もう大工業務が出来ないのと同じだから、 早く辞めて貰った方がいいのでは?と夫に提案していた。 だが、辞めさせたくないと言うか、元気ならばいて欲しい人である。 ヨッシーは大工にしては珍しく、寡黙で、人の噂話は一切しないし、指示に忠実だし、 筋が通っていて、無駄な所がない。 だいだい現場に来る職人さんと言えば、顔見知りになってくると、人の噂話や、 次の現場はどこへ行くだの、誰の所へ行くだの 良い悪いの噂が飛び交っている。 その くだらない噂話でうちの夫は結構 やられている。 もちろん、責任の所存はうちにあるので当たり前なんだけど、低レベルな揉め事が多い。 基本的な事を注意される奴は 往々にして仕事が出来ないか クソトロイ。 それに比べヨッシーはいつも淡々として冷静沈着で、動じないし、流されない。 ヨッシー兄弟以外の大工は、数か月~2年以内のスパンで入れ替わっている。 その度にヨッシーは、新しい大工の評価を夫にする。 その評価は夫と一致しており、夫はそんなヨッシーを影のご意見番として信頼していた。 以前、社員枠で採用しようと思っていた戸田さんだが、条件提示をした所、 折り合いがつかなかったので、そのまま外注として来てもらっている。 「人としてあれ?」「どうなの?」と思う事が多く、社員として採用しなくて良かったと思っている。 月給は40万前後払っているのに、いつも金がない金がないと ほざく。 金がないわりには、長女は幼稚園に通っているし、タバコをプカプカ吸い、毎晩呑んでいる。 そして、業務の生命線でもある携帯電話が止まってしまった。 親方の所から来て貰っているわけでもなく、うちと直接委託しているので指揮命令がうちから出る。 携帯電話を持っていないと、指示が出せない。 ヨッシーと一緒にいるので、ヨッシーへ電話して戸田に代わってもらう。 「携帯電話をつながるようにしろ」(通話料を払えと言うこと)と言っても、いつまで経っても携帯は使えない。 その時点で「人としておかしい」と思う。 タバコを吸う金はあっても、業務に支障が出る携帯電話の金はないって話かよ!!! で、やっぱり「頭のネジ 1本緩んでいる」ようだ。 見るからに馬鹿そうなんだけど、最初の頃は大人しくて忠実なのかと思っていたが、 どうやらただの馬鹿みたいだ。 現場はマンション工事が多く、設備工事に入っている時は、トイレの便器毎 取り替える工事があったりするので、 現場にはトイレがなくなる。 その時は近所のコンビニへ走るか、ビニールか何か簡易的に用意して自分で用を足すしかないのである。 戸田さんは、ある日 大便をビニール袋にした。 ビニールへする事はいいんだが、その袋を何日か現場に放置していた。 後日、夫が「ん? 何か臭くない?」と言うと、 ヨッシーが「戸田さんが大便して処分していない」と言ってビニール袋を指差した。 そこには、中身こそ見えないが 大便が放置されていた。 夫は激怒したらしいが、戸田さんは悪びれる様子もなく、ヘラヘラ笑いながら自分の車へ持って行ったそうだ。 てか、頭ゆるいよね? そんな事が元請けに見つかったら、うちはもう仕事が貰えなくなる。 ただでさえ、チェックが厳しい元請けなのに 大工がうんこして放置してました!!! なんて見つかったら おおごと だよ。 そんなこんなで、いつか戸田さんはいなくなる(切る)と想定して、次の大工探しに入った。 そして、2ケ月前にまぁまぁ良い人が見つかった。 55歳ではあるが履歴書の書き方から、一般的な人に近いと想像が出来、冷静沈着で、 無駄な噂話も今の所しないらしいし、仕事が早くて丁寧だ。 ただ、ちょっと頑固な感じはするが、このまま変貌する事なく業務を遂行してくれれば、 社員にしてもいいかな?と思える人材ではある。 その55歳の平田さんが、最近 落ち着いて業務を行い、夫も信頼してきた矢先。 ヨッシーからの「引退宣告」だ。 そう、ヨッシーは全て 周りを見ていたんだよ。 誰か安定的な大工が入ってきたら、自分は身を引こうと思っていたに違いない。 一応「肺の病気が辛くなってきた」と言う理由で辞めるんだが。 去年から 辛そうにしていた。 だから、いつ辞めてもおかしくない状態だった。 本当に ここにきて一層 体が辛いんだとは思うんだけど、平田さんの様子も伺っていたんだろうと思う。 最後まで引き際が綺麗な人だな・・・・と思った。 昨日、夫はヨッシーの自宅へ行き、奥さんも交えて話をしたそうだ。 今まで長年使っていた大工道具一式を うちに全部寄付してくれるそうだ。 乗っていた車も寄付してくれる。 現場では、前々から戸田さんがヨッシーの大工道具をあてにしていたみたいで、 頻繁に「貸してくれ」だの「いいなぁ~」だのヨッシーに言っていたらしい。 ヨッシーが引退するなら、別に 直接 戸田にあげちゃってもいいんだけど・・・・ そういう所がヨッシーなんだよ。 いつも周りを考えて 筋を通して、夫に良かれと思うようにしてくれる。 ヨッシーは「俺のは会社に寄付するから、会社から大工にレンタルすればいい」と言ってくれている。 やっぱり、ヨッシーは最後まで綺麗な人だった。 本当に7年間 ありがとうございました。 感謝の気持ちでいっぱいである。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2010.08.04 13:51:29
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