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あけましておめでとうございます。
今年もよろしくお願いします。 昨年は、震災の年と言われ、 テレビを付けても震災ばかりだし、地震や津波の映像は子供達も嫌がるし、 私も結構・・・・震災や放射能の事を聞くのに飽き飽きしていた。 でもね、やっぱり忘れられないんだよね(忘れちゃいけないんだろうし) あの日、新宿の一番揺れただろうと予測される場所で、私は地震に合い、首都圏の交通機関が全て麻痺し、 新宿駅周辺の道路は全て車でストップし、道路は人間でごった返し 地面が見えないほど 人があふれていた。 下手すりゃ、パニックで人間同士で将棋倒しとなり(どこかの国の花火大会でありましたね) 事故になってもおかしくない状況だった。 過去関連ブログ 目の前で新宿の高層ビルが ユラユラ揺れて こちらに倒れてくるんじゃないかと思える、あの映像が焼き付いている。 揺れる度に、そこにいる人達が「キャーーーー」と悲鳴を上げる。 地震直後は、あんなにも人間がいるのに、どことなく静寂に包まれていた。 みんな、 「これから何が起こるんだろう?」 「震源地は関東だったのか?」 「また揺れが来るのか?」 「情報はどこで入手するのか?」 考えていたと思う。 みんなが、これから来る予測不能の恐怖に、怯えているような静寂ぶりだった。 数分経過し、それぞれが自分の帰る手段を判断し始めてから、パニックに陥る人を見た。 泣きじゃくる人、倒れる人(多分、ショックかパニックで気を失ったんだと思う) 呆然として完全に判断能力を失っている人、怒る人、イライラする人・・・・・ いろんな人を見た。 倒れてもね・・・残念ながら救急車なんて来れないからね。 「我先に」 「自分さえ良ければ」 「自分の体力だけが大切」 と考えるような、 「もしかして死がくるかもしれない」という人間の最期が来るかもしれないという恐怖に陥った時に、 どう行動するのか?という 醜い判断をする人間を沢山見た。 私はあの日、 新宿駅西口に移動し、王子駅(東京の端)へまでいくバス停を探し、人間がごった返しているなかで「王子駅の最高尾はどこですか」と叫び、探していた。 「ここよ、ここ」と言ってくれるオバチャンがいたり、「そっちはね、池袋方面よ」と教えてくれたりする人もいたが・・・・やはり、人を押しのけて横入りする人もいる。 だってさ、大渋滞でいつ来るかわからないバスをそこで待ってなきゃいけないんだから。 もしかしたら今日中には来ないかもしれない。 情報はどこにもなく、係の人も何もいないから、来たバスに乗るしか手段はない。 1時間待った。 待っている間、2人のオバチャンと仲良く話していた。 1人は上尾市(埼玉県)で、1人は足立区に住んでいると言っていた。 上尾市のオバチャンが 「もしバスが来て乗れたら長時間のる事になるからトイレを我慢できないから 今行っておきたい」 と言う。 駅のトイレか周りの百貨店のトイレしかない。 普通ならサクサク行ける距離だが、人が多すぎてそこまで行くのにも相当時間がかかるし、 もしかしたらトイレも人でごった返しているかもしれない。 その旨、おばちゃんに話して「今トイレに行くのは危険じゃないか?」と言った。 でも、生理現象なのでどうしても行っておきたいと言う。 「ならばお互い携帯電話を教え合いっこしませんか?」と言って携帯電話に登録した。 でも、電話番号を教え合っても、通信の全てを遮断されて連絡なんて取り合えない。 私は上尾のオバチャンに最後にこう言った。 「もし、トイレがすごく混んでたらすぐに帰ってきてください。バスが来るかもしれないから」 オバチャンは「わかった」と言い、1人でトイレに行ってしまった。 オバチャンがトイレに行ったら、すぐにバスが来た。 運転手は 「いつ発車するかもわからない。発車しても道路が閉鎖されているから、到着時刻も不明だ。それでも良ければ乗せる」と言う。 前から並んでいる順番を見ると、私達は乗れるか乗れないかの瀬戸際だった。 ゾロゾロと バスに乗り込む時に、 私は上尾のオバチャンが心配になり、何度も繋がらない携帯電話を鳴らしたり、駅の方を背伸びして見たりしていた。 足立区のオバチャンは「もう放っておきなさい」と言う。 私は2人が友達だと思っていたので「えっ!お友達じゃないんですか?」と聞くと 「違うわよ。ここで出会っただけよ。」 「そうなんですか・・・・でも心配ですね。乗れるかしら?」と言うと 「あの人はもう乗れないわよ。 ね?あなた、私達もあのバスに乗れるか乗れないかの瀬戸際なのよ」と冷たく言われた。 私はオバチャンの言っている意味全てを理解した。 「ここで出会った他人より、あなた、自分の心配をしなさいよ。家族もいるんでしょ?」 と言いたいのがよくわかった。 もし、上尾のオバチャンが戻って来たら、1人増えるから 自分が乗れないかもしれないのだ。 足立区のオバチャンの言う通りだ。 私はバスの乗車定員のギリギリの所で乗れた。 バスは鮨詰め状態で、いつ動くのか、いつ到着するのかわからない状態で、ノロノロ運転が続き、 気分の悪い人が続出して、数人降りた。 車内には、90才は超えているだろうと思えるお爺さんがヨロヨロした姿で立っていた。 自分で自分の体を支えているので精一杯だった。 どことなく品のある爺さんで、帽子からつま先の靴まで高級な物を見に付けていた。 その爺さんの隣の椅子には、60才前後のかっぷくの良い、ぽっちゃり体型の、いかにも体力有り余ってますって状態のオバハンが座っていた。 60才のオバハンは、絶対にお爺さんを見ない。 視界の目の前にいるのに絶対に見ない 爺さんはいよいよ疲れてきて、オバハンの椅子の下に、少し段差があったので 思わずそこにチョコンと腰かけた。 もう、そこまでなったら、普通は譲ってあげるよね? 60才のオバハンから見たら、自分の足元に90才の死にそうな爺さんが座っているのに、絶対に見ない。 まっすぐ前を向き、微動だにしない。 譲る気なんてサラサラないようだ。 どこまで帰るか知らないが、自分の体力温存したいんだろう。 体力のない奴は死ねばいいって感じだ。 確かにね・・・ 死ぬか生きるかの瀬戸際になれば、そういう判断しちゃうかもしれないね。 それにしても「人間って冷たい」と思った。 バスはノロノロと池袋当たりを通過していて、 さっき気分が悪くて降りた人が、バスの扉を叩いてきて「乗せろ」と言う。 バスの運転手は「バス停でもないし乗せない。バス停でもこれ以上乗せてないから無理だ」と断った。 そしたら、その客は暴言を吐き、足でバスをバシッバシッ蹴っ飛ばしてきた。 「あんた、○○○バス会社に電話して、苦情を言ってやるっ」とかなんとかほざいていた。 私は運転手の隣で立っていて、思わずお互いに目が合った。 運ちゃんは 「ああいう人がいるんですよ。こういう状況の時にね。放っておけばいいですよ」 と私に言っていたが、自分で納得している様子だった。 まぁ、あんなに人がいる場所で、バスの扉を開けたら、その客だけじゃなくて、みんなが乗りたがって、パニックになる。 バスの中では、携帯電話でテレビを見ている人が1人だけいたが、あとの人は、情報を入手しようと思わなかった。 私もそうだ。 そんな事をしたら、充電が少なくなって、通話可能になった時点で、家族と連絡が取れなくなるからだ。 バスの無線機で、道路情報や、どこでビルが倒壊しただとか、千葉のコンビナートが火事だとか、そういう情報を聞いていただけだった。 みんな、震源地がどこなのかよくわからない状態で、 関東なのか?日本がどうなっているのか? わからない状態でバスに乗っているだけだった。 そして、地震から3時間経過した、夕方6時頃から、携帯のメールだけがチョロチョロの繋がるようになってきた。 私は姉にメールをして、子供達の保育園に行ってもらうように頼んだ。 ああいう状況では、今、自分に何が一番大切なのかが見えてくるね。 私は、子供が大切だった。 悪いが、夫は二の次だった。いや、あまり心配しなかった 夜8時になり、私は王子駅の手前で降り、埼玉県へ向かってガンガン速足で歩いた。 みんな歩いていたが、他人をごぼう抜きして、ひたすら歩いた。 しばらくすると携帯電話で通話が出来るようになり、 時々 通話が遮断されるが、夫と電話がつながった。 どうやら、夫は大渋滞の中、私の後ろ方面から埼玉に向かってすすんでいるようだ。 そこで待ってろと言われたが、どうやら車の方が遅い。 歩いている方が早いと判断したから、待てないと断った。 待つ意味がない。 そこで待つと寒いし、数分でも早く、姉のマンションへ行き、子供達を預かってもらっていたので、迎えに行かなきゃという気持ちだけだった。 夫は私が待たないと言った事に怒ったのか、何度か怒りの電話をよこしてくる。 その度にブチブチと通話が遮断される。 「どっちが早いか分からないけど、姉ちゃんちで会おうよ。早く到着した方が姉ちゃんちで待ってて」と言った。 それでも、まだ電話してくるので 「ねぇっ!!!! 充電がもうないから電話して来ないでよ。 なんかあったら姉ちゃんと通話出来なくなるじゃん」と言って怒って切ってやった。 うっとしい男 大人なんだから勝手に1人で帰って来いよ・・・・ そして、私の方が早くに姉ちゃんちに到着した。 そこで初めて震源地が東北なのを知った。 しばらくすると、夫から電話が入り、もうすぐ姉ちゃんのマンションに到着するから、下で降りて待っててと言う。 私は「なんで?上に上がって来て、姉ちゃんに挨拶してよ。保育園まで行ってくれたんだから一言お礼があってもいいんじゃないの?」 と言いたかったが、横に姉もいたので言わなかった。 そして、車に乗り込んですぐに言った。 「なんで一言姉ちゃんにお礼言わないのよ」と言うと 「家の金魚が心配だ」と言う。 ・・・・・・・・こいつっ お礼を言う時間より 金魚かいっ・・・・・・・ 数日経過して、さすがに彼も反省したのか、姉にお礼を言っていた。 いやいや・・・・人間 ああいう状態で何が大切なのか よくわかるね。 金魚って・・・・どうよ??? あはははは そして、その後の 食料品の買い占めに走る人 計画停電で、電池等を買い占める人 放射能が検出されたから、我先に 水を買い占める人 1才未満の子供がいないのに水を買い占める人 いろいろと、人間の醜い部分を垣間見た 一年だった。 今年は明るい年になるといいけどね。 もっと他人を考えるような 想いやりを持てるような人になれたらいいな。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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