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カテゴリ:夢日記
へんないきものに寄生される夢を見た。
サナダムシとかギョウチュウとかのワーム系ではなく。 というか虫ですらなく。 ちょきんぎょ このちょきんぎょをもうちょっと生物的にしたグロテスクないきものが、俺の腹の中に住まう夢だった。大きさは人間の手ほどある。 別に腹の中にコイツがいても実害は特に無かったんだが、厄介な事にこのちょきんぎょ、時々俺の口とか肛門から外に這い出て来る。 ちょきんぎょが俺の体内から出る瞬間だけは、これ以上ないほどの不快感を感じていた。 しかもコイツは口の中に鋭い牙が生え揃っていて、迂闊に近寄ろうものなら即座に跳躍、とてもその外見からは想像もできないような俊敏な動きで人間に襲いかかって来る。 その牙でもって、俺の右手の人差し指に喰らい付かれたから大変である。 痛い。とても痛い。そして出血。 俺は半狂乱になりながら、さんざんっぱら壁に叩き付けたりぶん殴ったりしてようやくちょきんぎょの弱体化に成功。 すかさずちょきんぎょの口をこじ開ける。 元がマスコットキャラクターとは思えぬようなサーモンピンクの口内は、若干黒ずんだ白い牙と相まって、グロテスクなコントラストを成していた。 いかな弱っているとはいっても、やはりその牙は脅威である。再び噛み付かれないように細心の注意を払いながら、人差し指からちょきんぎょを慎重に取り外す。俺の指は、解放された。 すさまじい顎の力で喰い付かれたにもかかわらず、以外にも傷は浅く、出血も小規模に見えた。 そこで俺は「積年の恨みを晴らすのは今が好機」とばかり、たまたま近くにいつも使ってる洗顔用のクリームがあったので、大急ぎでそれを手にし、これまた大急ぎでキャップを開けると、グッタリしているちょきんぎょの口に、洗顔クリームを流し込んだ。 クリームは灰色と緑色の混ざったような、汚らしい奇妙な色だった。 やがてちょきんぎょは、全身を小刻みにビクビクと痙攣させると、口から夥しい量の泡を吹きはじめた。 ゴポゴポという小さな音が断続的に聞こえ、その音と同時に泡を噴き出すのが終わりに近付いた時。 最期にもう一度、ちょきんぎょは大きく痙攣してから、息絶えた。 もう泡は出なくなっていて、ただ粘度の高い透明な液体が後から後から流れ出ていた。 俺はその奇ッ怪な様子を、放心状態からやって来る無感動と虚脱の感覚に全身を支配されながら、ただただ見詰めているだけだった。 もはや、ケガの痛みは忘れていた。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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