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カテゴリ:読書
稲垣足穂「少年愛の美学―稲垣足穂コレクション5」(ちくま文庫)を読了。
どんな話かと思ってたら、コレ、「エロティシズム」論だったのですね。 しかし、俺の頭では一朝一夕に理解できそうにない。 別に「ホモは気持ち悪い」とかそういう理由ではなくて、あまり独特というか……。 まず足穂の思想の基底に在るのは「A感覚」だ。それに加えて「V感覚」「P感覚」という発想も登場する。この「A」とはア×スの頭文字で、「V」はヴァ×ナの、「P」はペ×スのそれぞれ頭文字だ。 彼は人体を口から肛門まで繋がった一つの円筒に見立て、A感覚こそは根源的な感覚なのだと語っている。それによると、Aによる排泄が性的行為であるならば、口(=O感覚)による食物摂取もまた性的行為なのだという。 A感覚が根源的感覚という事は、V感覚はA感覚から派生したものでありP感覚はまたV感覚が反転したものに過ぎない。 そのA感覚を最も色濃く持っているのは少年で、女性における美とは美少年の美が元になっている……とか。 とにかく随所に著者独自の美意識が散りばめられており、俺などは一読してもほとんど訳が解らなかった。いや、というよりも今までの価値観とはあまりに外れ過ぎていて、それに当てはめて解釈しようとする方が無理だったのかもしれない。 ただダラダラと読んでいたのも原因かもしれないが、読書をしていて異常に疲れたのは久しぶりだと思った。 もっと多様な物の見方を知ってから再読してみると新たな発見があるかも知れない。 今は大まかな内容を記憶に留めておこうか…。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2008.09.12 23:02:06
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