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tartaros  ―タルタロス―

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こうず2608

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2009.02.07
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カテゴリ:読書

 人間の行動にはさまざまなものがあり、倫理学はこうした行動は自由に行われるわけではないことは無視して、これを「善」とか「悪」とか分類している。善と悪というこの否定しようのない区別がなくされないかぎり、[汝の敵を愛せよのような]高度の倫理的な要求にしたがうことは、悪行に報奨を与えるようなものであり、文化の意図を損ねるものとなる。ここでフランスの議会で死刑の廃止について議論された際の逸話を思い出さざるをえない。ある議員が死刑の廃止を情熱的に訴える演説をして、満場の喝采を博していたところ、議場から野次がとんだのである。「人殺し諸君、心おきなくやりたまえ」(文化への不満 p221)





 
 現在、フロイトの論文を読んでる。

 文化・文明を基軸に、宗教・良心・罪悪感などなど、多岐にわたる論考。特に印象深かったのは「暴力」に関するもので、「リヴァイサン」を引用しながら人間は内に抑えがたい暴力欲動を秘めており、文化を維持させるために抑制されたその欲動は何らかの形で解消されなければならないと説く。この辺、バタイユの「エロティシズム」とも似通っていると思う。あれは連続性獲得のための暴力は「禁止」によって抑制されなければ共同体の運営が難しいが、その代替行為として宗教行事における供儀など、「侵犯」における暴力の最も判りやすい形である死を露わにさせる事が古代において行われていたという。
 そういえば、「エロティシズム」はフロイトを引き合いに出している箇所があった。明らかに批判的文脈での引用だったけど。 
 けれども、人間の限りない欲求を全てにおいて認めていたのでは共同体は間違いなく立ち行かなくなるのだろうし、フロイトが定義するところの文化によってある程度の抑制・規制がかけられるのはやむを得ない事だろう。しかし、それはあくまで「個人的」な意味合いでの暴力への欲求を認めるか否かであって、「総体的」な意味合いではその限りでないようだ。少なくとも、共同体の維持発展のためには個々の暴力衝動は禁止の対象になるが、この欲求を合法化する手段は矛先を外部に転換させる事であろう。集団化された暴力衝動は共同体の内側ではなく、その外側――もう一つの違った共同体や、あるいは自己の属する共同体の内部に住まう局外者へと向けられる。これによって共同体内部は「個人的」な暴力衝動を「総体的」な暴力衝動へと変化させる事での解消に成功し、また各人が同じ衝動を有する事による同質性の確認をも行う事ができるのではないだろうか。
 つまり、ある共同体が外部存在に大して行う暴力は内なる衝動を満たす事と同時に、異人や敵の排斥による「仲間」意識の共有・あるいは自らの「帰属」意識の確認でもあるのではないかという事だ。
 キリスト教会は「禁止」の絶対化を行ったというが、それはあくまで「個人」としてのレベルであり、「集団」としての暴力衝動を満たすための捌け口は確かに用意されていたように感じられる。ある特定の価値観に基づいた局外者への激しい攻撃。

 つまり――――異端審問であり、魔女狩りであり、ユダヤ人の迫害だ。








 

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Last updated  2009.02.07 22:37:05
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