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tartaros  ―タルタロス―

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2009.02.24
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カテゴリ:読書
 明日はまたテストなのだけれども、現実から眼を背けるべくルース・ベネディクト「菊と刀」(光文社古典新訳文庫)を読み始めた。アメリカの文化人類学者による日本研究の書として夙に名高い。
 つか、何なの、凄く面白いんだけど……。
 本日読んだ箇所では「戦時下の日本人」をテーマに、アメリカ的な物質重視と日本的な精神重視の思想の対比、及び天皇の存在と日本人の心理との関わり、そして戦いで死ぬ事と捕虜になる事に対する日本人の捉え方を考察している。よく言われる事だが、かつての日本兵は「生きて虜囚の辱めを受けず」を旨とし、捕虜になるなら自決した方がマシだと考えていたという。兵士は戦争においては生き残って生き恥を晒すものではない、潔く散る事が良しとされていたのだ。だから、当時の日本軍には敗北したアメリカ兵が次々と投降してくるという事実が不可解でたまらなかった、と、本書は述べている。
 読んでいて、坂口安吾の「堕落論」を思い出してしまった。確かあの中では、戦時中に竹槍を持って敵の戦車に突っ込む事を採り上げて

「嘘をつけ! 嘘をつけ! 嘘をつけ! 本当は死ぬ事が嫌で嫌でたまらなかったのだろう。」

 といった風にかなり強い調子で戦時の道徳を批判して、そこからの脱却=正しく「堕落」する事を説いていた。いったい何が有ったのかと考えてしまいそうになるが、よく考えれば安吾は戦後に活躍した小説家である。そして、彼はこの「堕落論」で一躍脚光を浴びたのだ。
 日本と日本人が経験した敗戦という事実は、あらゆる価値を転換させた。生き恥を晒すくらいなら死んだ方がマシ、竹槍一本で敵に突っ込むという、現代の日本人である我々からするとかなり奇異に見える戦時の思想が、安吾の「堕落論」が受け入れられた当時には既に崩れかかっていたのかもしれない。
 同時に、戦時において瞬間的に花開き壮絶な形で散華した「日本」的な思考の枠型というものが、現代まで残っていると思う事は到底できまい。その事の良し悪しはまた別として、だが。




 とりあえず、これから読み進めていきます。




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Last updated  2009.02.24 22:36:10
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