tartaros 　―タルタロス―

　最近人気らしいアニメ「けいおん！」。
　宮城県内でも放送されているらしい。毎週木曜午前１時３４分より。
　モノは試しで見てみようかしら。

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けいおん！見て楽器買った奴多いんだなｗｗｗｗ

けいおん厨ヤバイｗｗｗｗｗ

この商品を見た後に買っているのはこの商品です



　「けいおん！」関連。今週のポロロッカ逆流現象。
　特定の分野をテーマにした作品が流行ったり話題になったりすると、必ずこういう出来事というのは起こるもんです。「バンブーブレード」に憧れて剣道部に入ったはいいが、想像以上にキツくて退部者続出という事態もあったとか無かったとか。
　楽器の演奏など小学校のリコーダーで限界を迎えていた俺がアレコレと言えた義理ではないけど、別に何を始めるにしてもきっかけは人それぞれだし、その辺はどうでも良い。どうでも良いが、一時の熱狂に突き動かされて軽はずみな行動をとる奴というのが一番ウザイっていうか痛々しい……。楽器の値段の相場については知らないが、ギターやベースだって決して安い買い物じゃねえだろうし、単なるファンアイテムとして買うにしては後先考えてなさすぎ。よしんば好きなキャラとの自己同一化願望だったとしても、アニメみたいに上手くなるには相当の練習を積まなけりゃあならんだろうて。もっとも、DVD全巻とか平気で揃える類の人なら何とも思わないのかも知らんけど。

　もともと何かの作品に「影響を受ける」という効果は意外と侮りがたいものがあって、世界でもトップクラスと言われる日本のロボット開発技術は、子どもの頃に「鉄腕アトム」や「マジンガーＺ」や「ガンダム」に憧れて育った技術者たちが夢を追い求めた結果だという話もある。そこまでいかずとも、できる限りで極めたり長く楽しめるなら、アニメに触発されたとはいえ十分に褒められたものだと思う。って、何故か上から目線で批評しちゃったけど。

　しかし現実は非情。
　アニメ放映終了後、熱に浮かされて購入された楽器の大半はお部屋の片隅でホコリを被る。ほんの一瞬、炎の揺らめきのように経済を潤わして消えていく。その大半はロクに触れられることも無く、手入れもされぬまま朽ちていく哀しき末路をたどるのかもしれない。「人の夢」と書いて「儚い」。まさしく二次元に託された人の夢は、彼ら自身によって儚く消されていくのですね……。