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tartaros  ―タルタロス―

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2009.06.18
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カテゴリ:読書
 本を読む上で最も困ってしまう出来事は、その書物の内容を理解できない事ではないかと思う。

 ある知識を求めて本を読んでいると、記述されている内容を構成する情報が、全く別のものを基にして組み立てられている場合が多々ある。それは、その書物の内容に左右される面があるけれども、ある大きな幹から生じた枝葉が今現在読んでいる書物だとするならば、枝葉だけを読んでも十分に理解できる場合と、枝葉の大元たる幹や加えて他の枝葉にまでも目を通さなければ、その枝葉=書物の性質を完全には理解できない場合がある。

 厄介なのは言うまでもなく後者。
 折り取った枝葉をしげしげと眺めるだけでは何も解らず、終いには幹や他の枝葉にも手を伸ばした方が良いのではないかという結論に至らざるを得ないのだ。
 しかし、幹に登るには大きな体力を使うのだし、別の枝葉をまた手に入れたとしても、それをも理解できなかったとしたら意味は無い。結果、際限なく我々は枝葉について知悉することに対して飢えるようになる。これは実に困る。

 大半の人間の頭というのは穴の開いた袋みたいなもので、新たに何かを詰め込もうと思うと、先に入っていた何かが押し出されて何処かへ落下していく。しかも、その穴は年々大きくなっていくらしい……。

 まったく恐ろしい。
 我々がどこぞの公家の娘のように、「この世に在るという全ての書物を我に与えたまえ!」などと神仏に祈っても、人間の方がそれを受け入れることができなくては意味が無いのである。
 精神も知力も生命も――それこそ身の内に蔵したる魂魄が、擦り切れて跡形も無くなってしまうよりもなお速く、きっと衰えて消え去るに違いないのだ。


 もっとも、その覆し難い不完全さと有限さのゆえに人は努力することに価値を見出すという美徳を知ったのかもしれないが。
 そして、自分自身がまだ途上でしかないという事実に目を開くことができるのは、ある意味で無上の幸福なのかもしれない。




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Last updated  2009.06.19 00:27:09
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