テーマ:転職・再就職(1122)
カテゴリ:求職or休職
前の記事で、今の仕事を辞める決意を書いた。
で、保育士を探しながら、ちょっと疑問に嵌ってしまったので、書く。 私は、タロウとハナコが小さかったときに子育てに行き詰まった。 当時まだ街中に住んでいた私たちは名実ともに核家族の共働きで、 結婚後間もなく授かった子どものために、夫婦としての繋がりもまだ希薄で、 育児能力だけでなく家事能力も低く、若かったから仕事の能力も低く、給与も低く。 つまり、何もかもが手探りの状態だったのよね。 あたしはACだったから、また一つ余計な煮詰まり要因があったわけだけど、 それをヌキにしたって、大変な状況だったと思うわけよ。 それが、実家の近くに引っ越して、保育園も変わって、 保育園によってこんなに違うものかと思うくらい、子育てが楽になった。 勿論、保育園の他にも、子育てが楽になった原因は沢山あるんだけど、それは省略。 苦しかった子育てが、「楽しい」に変わっていく。 それはとても大きな変化だったのよね。 そこが、私の保育士を目指した出発点。 一方で、自分が子供をもって、初めて日本の子育て環境に目が行くようになった。 私のように子育てに行き詰るのが、特異例ではなく、よくあることだという発見。 仕事と家庭の両立がなかなか難しいという、現実。 頻繁に聞く、虐待報道。 そんなのが、私の保育士という仕事への興味を強くしていく。 子育て環境は、これでいいのいか。 疑問を感じたからこそ、それに携わる仕事をしたいと思った。 だけど。 保育士の資格をやっとのことで取得して、保育士として働くことが、 「夢」ではなく「現実」になるところまで来た今だからこそ、新たな疑問に突き当たった。 保育士の待遇が、悪い。 働く親のニーズを考えると、保育所は朝早くから開いていて欲しいし、 夕方遅く、場合によっては夜まで開いていて欲しい。 土曜日は絶対に開いていて欲しいし、日曜日も開いていて欲しい。 それに、子供にはしっかり体を動かすように関って欲しいし、 心のケアもしっかりして欲しいし、色んなことを経験させて欲しい。 けど、これを保育士が実践しようと思うと、大変よね。 朝早くから夜遅くまで働かなくちゃならないし、土日も出勤。 知力、体力、経験、色々求められるわけよ。 激務だわ。 なのに、薄給。 広島では、公立保育園の民間委託が話題になってる。 保育士を仕事にしようとして、初めて知ったけど、それってキケンかもしれない。 保育って、何か「物」を作るわけじゃないから、 仕入れがあって、加工があって、売上があるような物じゃないのよ。 経費の殆どが、人件費なのよね。 公立保育園を私立に委託すれば、経費が削減できて効率的、 って何となく説得があるような気もするけれど、 ちょっと考えてみれば、それは変。 だって、削るも何も、人件費しかかかってないなら、人件費しか削れない。 公立保育園は人件費が高くて、私立保育園は人件費が安い。 だって、公立保育園は延長保育をしているところが少ないから勤務時間が短いし、 公務員ゆえの手厚い福利厚生があって、家庭との両立がしやすいから、 結婚・出産後も働きやすい。 だから、辞めないから、勤続年数とともに給与も上がっていく。 つまり、人件費が高くなっていく。 私立保育園は多様なニーズに柔軟に対応しようとしている分、 保育士が働き続けることが難しく、若い保育士が多い。 だから、勤続年数が浅い分、給与も安く、人件費も安い。 給与と保育の質はイコールでは無いことも確かなんだけどさ。 だから、どっちの給与が正しいかって言われると困っちゃうんだけど、 実際の求人票を見てると、私立保育園の求人ってバカらしくなるくらい安いのよ。 どうにも、私立の人件費が不当に安いって気になるのよね。 ああ、こんなところにも、保育園の抱える矛盾があったのか。 興味深くも恐ろしい、そして身近すぎて悩ましい。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2010.03.03 13:00:25
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