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2011.09.03
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【送料無料】少子化対策が日本をダメにする

家は借りて住め、本は買って読め。

昔の人は良いことを言うもんだと思う。

買ってハズレな本もあるけれど、これはアタリだった。

なのに、公民館で借りた本なので手元に残らない。

貸出期限も迫っているので、再読する暇もない……残念。



とは言っても、2007年の出版なので少し古い。

自民党政権、阿部内閣、と言えばどれだけ古いか分かるだろう。

たかが数年、されど数年。

政権が民主党に変わり、首相も何人か交代した。

使用されている最新のデータも、数年経てば変わる。

政策を扱うには、数年の差も大きな差だと思う。



しかも、緻密にデータを扱われた結果ゆえか、

実感にそぐわないところがところどころにあって、

「えー、ソレって違うと思うー」と言いたくなる。

さらに、

「それって、極論っつーか、暴論に近くない?」

と言いたくなるところも、アリ。

つまり、細部にはツッコミ所が散見される。



けど、大筋では非常に納得できる。



日本は株主資本主義を採っているので、

優秀でない人材を登用していく経営は、背任を問われることだ。

優秀な人材は重用され、低能な人材は廃されていく。

そこからこぼれてしまう「弱者」をどう拾い上げるか、

社会としてそれで良いのか、というのも大切な議論ではあるけれど、

まずは、この冷徹なルールを一旦受け止める必要がある。



私は福祉に居る人間でもあるので、こぼれおちた人たちも身近にみるから、

このルール自体を否定的に見ちゃうけど、既存ルールとして受け入れなきゃダメなのよね。

で、その上で福祉がどう機能すればその人たちを掬いあげられるのか、考えなきゃ。



この本では、福祉がどう関わっていくべきか、という話には行かないけれど、

教育がしっかりすれば、こぼれおちていく人たちを少なく出来るはずだ、とする。



これはとても納得できる。

構造改革とか、派遣労働法改悪とか、制度的なものも色々あって、

こぼれおちていく人たちがとても多くなっている昨今。

社会政策によってこぼれ落ちる人たちは、確実に増えているし、

優秀な人材でさえ、今の不況では渡り歩いていくのが大変だけど、

優秀な人材なら、比較的リスクが少ない状況にあるのは確かなわけで。



子育て支援、少子化対策、って言われて保育園も(少しは)作られているし、

既存の保育園に詰め込むことで保育ニーズを解消しようとしたり、

新システムを実施して、保育に一般企業を参入させようとしたりしてるけど、

保育もイッパイイッパイなのよ、実際のとこ。

今現在でイッパイイッパイなのに、更に詰め込んでどーすんの!?

って言いたいけど、小学校は保育園よりよっぽど詰め込まれてるワケよ。



だから、何とか保育園を確保して共働きを継続しても、小学校で挫折しちゃう。

PTAだの参観日だの運動会準備だのプール監視だの校外活動だの(以下略)

ってやたら親の出番が多くて大変だし、

第一、親が勉強を見なきゃならないシステムになってるから、

両親ともにフルタイムワークだと、生活に追われちゃって

「いつ子どもの勉強見ろっつーんだ!!!」

って無理難題を突きつけられて、学習塾に外注せざるを得なくなるわけよ。



自分の子どもの勉強くらい見ないでどーするの、ってのも正論だけどさ。

じゃあ、朝子どもの登校時間に一緒に出勤して、

夜7時に帰宅してから、宿題させて料理して夕食摂らせて風呂入れて、

さらに一日の子どもの話をみっちり聞いた上に、絵本の一冊でも読んでやって、

夜9時までには布団に入れてください、

なんつーことを毎日やれって、すっごく大変なワケよ。



義務教育と言いながら、修学旅行を含む校外学習の一切が自己負担だったり、

食育も教育の一環と言いながらも給食費が自己負担だったり、

なーんかおかしいよね、みたいなトコが色々あるしさ。



そんな現状に「?」マークを色々持っていた私は、

もっと日本は教育にお金をつぎ込め!!!!!

というところには、ものすごーく共感したのです。



超高齢社会、といっても還暦を過ぎた人を十把一絡げに「高齢者」とした結果であって、

本当にリタイアしたい人(意欲・体力のいずれかが欠けている人)ではないから、

もっと「高齢者」に頑張ってもらって良いんじゃないの、とか。



ツッコミ所も色々あったけれど、全体的に納得できて、

日々の疑問が解消されていく本だったと思う。

家は借りて住め、本は買って読め。

家も買っちゃったけど、本もやっぱり買いたいなあ。

この本、いつか古本屋で再会出来ると良いんだけど。




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Last updated  2011.09.03 23:39:03
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