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2003年05月19日
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カテゴリ:カテゴリ未分類
小生の住むこの町は、福岡の田舎町。

ここでは、IT革命など何処吹く風の、情報通信に立ち遅れた地域である。

ADSL?何それ?

光ファイバー通信?新しい蛍光灯か何か?ってのがオチの辺境なのだ。

ここで、唯一の通信手段!それが有線放送だ!

但し、今流行りの双方向通信なんて夢のまた夢!

単なる役場からの一方通行の伝達手段でしかない。

さて、この放送。どんな事を言ってるかといえば、、、

  「ご町内の皆様にお伝え致します。♪ピンポンパンポ~ン♪・・・

  ○○○小学校の○○さんが、児童作文コンクールで金賞を受賞しました。・・・」

  「ゴミは指定の日以外は出さないようにして下さい。野犬やカラスの餌場となって、散らかってしまいます。・・・」

  「次回の福祉バスの運行は、火曜日となってます。・・・」

などなどであるが、、、

週に2~3度、必ず放送される事がある。

それは、

  「○○地区の○○さん、今年78歳でしたが、昨晩○○でお亡くなりになりました。

   通夜は○○会館、本葬は○○にて1時より行われます。ご冥福をお祈り致します。」


冗談でも何でも無く、ホントに毎週の如く、この放送を聞く。

実は、今日もこの放送を耳にしたばかりだ。



高齢化の極端に進むこの町では、老人が毎日のように亡くなっていく。

町の人口は減少の一途を辿っている。

目立った産業も無く、働く場さえ無いこの町には、若い人達も愛想を尽かせて、皆、出て行ってしまう。

農業に従事している人達の平均年齢は、おそらく60歳をゆうに越しているだろう。

決して楽な仕事ではない。それでも、ご先祖様から受け継いだ田畑を守って、必死に作業している。



農業では、作っても売れないという現実が待っている。

若い人が農業(家業)離れする最大の原因だ。

コストも決して安い訳ではない。

辛い作業をこなして、やっと出来ても、売れなければ捨てるだけ。

一方では、安い外国製の野菜に飛びつく消費者が居る。

それがいけないと言ってるのでは無い。

現実をあまりにも知らな過ぎると思うだけだ。

農業大国日本は、遠い昔の事となった。



小生も半農という形で農業に従事しようとしてるが、

これも、農業一本では食っていけないという現実があるからだ。

  百姓はバカには、出来ないが、バカになりきれないと、もっと出来ない。

ある先輩百姓の言葉だ。

含蓄のある、いい言葉だと思う。



今日も田植えをしながら考えた。このままでいいんだろうか・・・?

自然に憧れるだけの街の人々。

その影で、自然を守っているのが農業従事者だと気付く人が何人いるだろう?

小生が、今から取り組むテーマは『強い百姓』

これである。

まずは食っていける百姓にならなくちゃいけない。

食い物を作りながら、食っていけないなんて、笑い話にもなりゃしない。

いつになるか分からないが、これが当面の目標である。

それまでは、二足のわらじでも、三足のわらじでも履きまくっていこうと思う。

あなたの職業は?って聞かれて

自信をもって、「ハイ、百姓です。」って答えられるその日まで。。。







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最終更新日  2003年05月20日 00時09分19秒
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