ちょこっと立ち読み屋さん

内部告発者

第１回ダイヤモンド経済小説大賞受賞作ということで気になっていた本だったのですが、図書館で見かけたので早速借りて読みました。
舞台は損保会社の渋谷火災。ある経済誌が不正融資を暴露したのだが、明らかに内部告発であった。怒った藤田会長は、副社長時代にしきりに会長に意見をしてきた仲田を犯人だと決めつけ、損害賠償請求を起こしたのでした。
一人ひとり味方がいなくなっていく仲田は、自分の気持ちに寄り添ったくれる若き羽根田弁護士に自分の裁判を託すのです。絶望的な状況が少しずつ前向きに変わっていく様子が気持ちよいです。
小説の系統でいうと高仁和夫さんに近いように感じました。