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見事であった…。
一昨年、叔父が他界した。 叔父の一生は、なかなか苦労の多かったもののように思える。 体が弱かった叔父の父(私からすると、祖父)に代わって、学校卒業後、お店を引き継ぎ、まだ年少だった兄弟姉妹の生活を支え、若くして一家の大黒柱だった。 そして、兄弟姉妹すべてを学校を卒業させた。 20台で。 そんな苦労したことも自慢にしてもよいものだけど、そんな話は一切聞いたことがない。 お店営んでいたから、うちでも長年、税務申告の依頼を請けていた。 私が税理士登録する前から、何かわからないと、電話してきて、あれやこれや相談に乗ってくれ、と。 お店は時代の流れから、業態変更したこともあったが、その後、10年以上前に閉めた。 だけど、貸家があったので、引き続きその申告を請け負っていた。 その貸家もバブル当時の建築であったので、建築費も相当な金額で、少なくない借入だった。 だから、貸家のあがりがあっても、大半は返済にお金が回り、手元に残るのは、それほど多くはなかった。 だけど、納税だって少なくなかった。 そんな叔父が見事だったのは、納税のスケジュールがきちんと頭に入っていたことだ。 固定資産税(4期分)に、所得税(予定納税を含めると、年3回の納付)、住民税(4期分)、消費税(予定納税含めて年2回)…。 納税管理用の預金通帳を作って、納期の直前にお金を移動していた。 税理士は、確定申告時の納税しか、伝えない。 だから、3月の所得税、消費税の納税以外は、すべて自分で、いくらくらい納税資金が必要なのか、頭に入っていたのだろう。 しかも、少なくない借入金の返済もあるから、予定していなかった支出があったりすると、返済できない恐れもあり、そんな意味でも、お金の管理はキモだった。 とにかく、その管理は「見事!」だった。 思い起こせば、どこぞに旅行に行った、なんて話はあまり聞いたことがなく、高額な趣味もなく、生活ぶりも質素慎ましい様子だった。 先祖から受け継いだ土地だから、次の世代に残したい、と常に口にしていたとおり、実行した。 しかも、借入金の残債もこれまた「見事」に何年か前に繰り上げ返済し、負の遺産を引き継がせることも一切なかったし、それに余るものを残して他界した。 お金の「入り」と「出」の管理。 難しいものではないけど、それができていない人が多い。 商売している人は、一回懐にお金が入ってきてから納税するわけだから、いつ、どんな支出がどのくらいあるのか? それをまかなう収入の見込みは?と考えるべきものと思うけど、それができていない人が多いように思えてならない。 だから、貯金できないのですよ、 いつまでも融資に頼るようなことが続いているのですよ、 自分の実力を過信しているのですよ、 と思うことが仕事していると感じることが多々あり…。 働き方改革とはいうけれど、体を壊さない程度には、しっかりと働き、実力以上の生活を慎むことが商人には必要ではないかと思う、この頃です。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2022.06.16 20:24:02
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