相棒22 7話
いや~~~やっぱ、人には優しくするもんだね言い分は正しくても、言い方一つで丸くもなれば、角も立つ相手が常に拳銃を持っていると思えば、言い方に気を付けるよ……ってアメリカ人が言ってたなうん、確かにそう思うもしマネージャーが拳銃を持ってたら、スタジオで射殺されてるわ結末まで見てから見直すとなるほど、右は耳掛けしてるけど、左は髪を下ろしてることとかインタビューと回答の噛み合わなさ以前に、インタビュアーの方を見てもいないとか最初からちゃんと提示されてるんだよねアーティストなら、イヤモニしてておかしくないからメンバーが補聴器をイヤモニと思ってても不思議じゃないし元々聞こえにくいと言っていた右耳は完全に失聴していて左耳に補聴器をして、何とか聞いていた状態とはな~それじゃ、マネージャーが後ろから話しかけても聞こえないよなぁ難聴の耳に大声出されたら、キンキンして聞こえないよなぁ補聴器をしようとした腕を掴まれて振り払ったら、殴っちゃって突き飛ばされて……アーティストとして、耳が聞こえないのは致命傷だから、黙っていたそれを知っていたのは、離婚間近の妻だけってのがまた夫婦として秘密を共有していた頃もあった事実と離婚間近でもアーティストの致命傷をバラさない同業者としての矜持に唸った<バンドメンバー>バンド活動していて、ボーカルだけがソロデビューってあるよねーミッチーさんも、バンドから一人だけスカウトされて、ソロデビューだものそれから連絡を取ることもなかったのに20年ぶりに急に連絡が来て、再結成することになって本業やバイトをしながら、20年ぶりに楽器に触って矢崎さんが納得するまで練習して、仕事にしわ寄せが来ていてそれでも、もう一度、バンドでライブするために頑張ってていよいよツアーって時にボーカルが死んだんだからそりゃ、心千々に乱れ、不平不満も出るよね期待していたものが大きいほど、手に入らなかった時の落胆は大きいもの三人とも矢崎さんの我儘っぷりや横暴さを言ってまるで殺されて当然みたいなことを言うけど一人で話す時は、他のメンバーにも言えなかった話もしてくれる矢崎さんが曲を盗んだと言われていた人は、ちゃんと承諾を得た上での楽曲使用しかも自分が作ったよりずっとずっとブラッシュアップされて演奏も桁違いに上手くて、才能の差を見せつけられたのにちゃんと印税が入るようにしてくれたから、生活が助かったっていい人じゃん、矢崎さん矢崎さんに捨てられて、アイドルに乗り換えられたと言われていた人も実は女の方から浮気して、バレて別れた後にアイドルと結婚したから矢崎さんは悪くないのに、彼女を捨てて乗り換えた男と言われても反論せずいい人じゃん、矢崎さん本当に憎んだり嫌ったりしていたら、バンド再結成自体しなかった逆に、気心知れてるからこその批判であり、皮肉でありそれを言っても許してくれる人柄だとわかっていての甘えだったんだなぁ<事務所>矢崎さんを見つけて、ソロデビューさせた社長は辣腕矢崎さんがお金に興味がないことをいいことに本来なら支払われる取り分を抑えて、5000万円の借金をさせて逃げないようにしてたんだろうなまぁ、矢崎さんなら、曲が出せて、ライブができたら、それで満足しそうだし新人マネージャーさんは、矢崎さんの音楽に惚れてマネージャーに現代らしくSNS戦略も立ててたけど、矢崎さんには受け入れられなかったり頑張ってるのに無視されたり、無理難題を求められたりスタジオの使用時間を過ぎても終わってくれなかったりギリギリまで追い詰められてたんだなぁ可哀想だけど、突き飛ばしてすぐに救急車を呼んでたら命は助かったかもしれないのになぁ<捜査一課>昔好きだったアイドルの話になると饒舌になる芹澤昔からアイドルにまったく興味のなかった伊丹んの対比アイドルの思い出から被害者の経歴を思い出す芹澤ちょっと好きだったどころじゃなく、ちゃんと好きだったんだな~大好きなアイドルを奪ったロック歌手だもの忘れようにも忘れられないし、今でも感情が蘇る、わかるよ、わかる薫ちゃん襟首を掴んで持ち上げられるのは伊丹んだけだし手荒に扱われても薫ちゃんが怒らないのは伊丹んだからという特大濃厚なライバル兼親友っぷりを見せつけられましたよ<特命係>「友情はゆっくりと熟す果実」 by アリストテレスに対して「熟した後は腐っちゃう」と言って右京さんに褒められて嬉しそうな薫ちゃん矢崎さんが付き合ってたメンバーを捨てて、アイドルに乗り換えたと言う時に、一瞬言い淀む薫ちゃん「捨てる」って言いたくなかったんだろうな何気ない言葉一つにも相手を傷つけないか慎重になる薫ちゃんほんといい人だ