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カテゴリ:見た番組のこと
松本清張原作のミステリーを現代に時代を移して まったく新しい解釈でドラマ化だそうですが もう嫌な予感しかしません 特に「まったく新しい解釈」という文言 既成概念を壊すとか、今までのイメージを一新してとか言って、 成功したものを見たことない! そう覆いつつも見てみたら、意外によかったのが まずはヒガシの刑事 ま、ヒガシは今までにも刑事役をしてきたので、刑事役自体に違和感はなかったし ところどころ、刑事7人の天樹さんが顔を出してました 自殺した女バーテンが妊娠してたと言う情報を聞いて、 自分の元妻とのトラウマを思い出して吐くシーンがリアルでした が! 床に吐いたよね? それ、誰が掃除すんの!? 『七つの会議』の原島課長は、ゴミ箱まで我慢して、ゴミ箱に吐いたよ!? それ、明日の朝まで放って置いて、掃除のおばちゃんが片付けるの? それとも、雑用の婦警さんに片付けさせるの? 一緒に行動してた所轄の刑事も片付けなかったよね 事情を知らない課員が入ってきて「うわぁっ!」と叫ぶんだろうな~ 万が一、捜査一課長がうっかり踏みつけたら、「誰だ、ゴルァ!」と楽しいことになりそう という妄想まで含めて、面白かった そして、ケンティ! 煙鴉さんとの共演で、可愛い顔してしたたかな奴という役どころが秀逸でしたが 今回は陰のある天才音楽家で、刑事の前では平然としながら、一人になると泣き崩れる したたかにのし上がる冷徹さと脆い心が共存する危うさがたまらなく魅力的でした 父親役の柄本明さんは、さすがさすが! 傷つきながらも、家族を守るために戦う姿 年老いても、息子を守るために、シラを切り通す姿 全身から息子を思う父親のオーラが出ていました でも、やっぱりストーリー改変は無理がある 原作では父親がハンセン氏病になり、母親は家を出て、村を追われた父子はお遍路の旅に出て 行き倒れかけたところを巡査の三木さんに助けられ、父は療養所へ、子供は養子に行くはずが 子供は逃げて、別人になりすまして音楽家になり、過去を知る者を殺していくという話が 兄が連続幼女殺人事件の犯人で、マスコミが押しかけるわ、町の人も避けるわ (そりゃ、罪もない幼女を次々と殺したら、誰もが警戒するし、マスコミも押しかけるわ) 母親が心労で倒れて死亡(息子が殺人犯だもん、心労半端ないよなぁ) 家に落書きをしたヤンキーを追い払おうと戦った父親が、うっかりヤンキーを殺して 父親は次男を連れてお遍路の旅 (昔と違って、子連れお遍路って目立つと思うんだけど) (つか、正当防衛での致死傷なんだから、素直に出頭しとけばいいのに) 次男が発熱して、ほぼ露天で寝てるところを児童養護施設の三木に助けられ 次男は施設に入り、父親は三木の説得で出頭(殺人+死体遺棄ですね) (施設の判断で子供を勝手に入所させられないと思うんだけど、田舎なのでいい加減なの?) 次男は子供のできない夫婦に引き取られたけど、実子ができたら疎まれて、 殺人犯の家族だとバレて、苛められるようになって、家出したけど、養父母は探しもしない ピアノが好きだった次男は憧れの音楽家・我賀を訪ねたら 偶然、我賀の息子が死んでいて、我賀公認で成り代わり成功 我賀自身が隠遁生活をしていたから、息子の顔も知られてなくて、 無事、我賀の息子の天才音楽家として成功 バンザーイ! なのに、三木が突然やってきて、「お前、本浦秀夫だろう?」って言うんだよ? 大臣の娘と婚約したというニュースを見て、いきなり接触してくるんだよ? CDをレンタルして、そこから事務所に連絡してきて、「昔の知り合い」だなんて言って それも、高嶋政伸のねっとりした笑顔で「父親に会わせてやる」だよ? これ、本浦秀夫だと認めたら、骨の髄までしゃぶりつくされるフラグだ 父親と連絡を取り合ってる証拠の手紙まで見せつけて、 完全に、「お前のなりすましをバラされたくなかったら、金を出せ」ってメッセージでしょ しかも、断ったら「お前には人殺しの血が流れてる、宿命だ」だよ? 何が「三木さんはいい人」だよ! 全然、いい人じゃないじゃん! どーせ、海外でカジノに行って、借金背負って、金づるを探してたんでしょ! って印象しかない これは、ハンセン氏病が遺伝性の病気と思われていたというバックボーンがあって 近所からいわれのない差別を受けて、土地を追い出された末の遍路の旅であり、 父がハンセン氏病患者だということを隠さないといけない我賀英良の悲しさがあるんであって、 人殺しの血なんてないから! そんなもん、遺伝しないから! それを口にした時点で、三木がとんでもない偏見の持ち主だって証明されたから! ただひたすらに、我賀英良が可哀想で、笑顔を封印したケンティが切なくて、 英良を守るために、妊娠したことも告げずに自殺した女バーテンの土屋太鳳ちゃんが可愛くて、可哀想で 太鳳ちゃんの背中の傷にケンティキスするシーンがささやかな幸せで 太鳳ちゃんが自殺したと聞いて、一人になったら嗚咽を漏らして慟哭するケンティが悲しくて、 最後の柄本明さんの演技が全部持って行った、そんなドラマでした お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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