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2023.02.18
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カテゴリ:見た番組のこと
こういうドラマ、NHK以外では無理なんだろうな~
役者は重厚、セットや衣装も手抜かりなく、
ストーリーはわかるようで、決してわかりやすくない
不思議な世界感を貫き通して、中毒性のあるドラマ
後の江戸川乱歩になる平井太郎が濱田岳ちゃん
伝説の探偵白井三郎が草刈正雄さん
新聞記者の梅澤潤二がSixTONESの森本慎太郎
女装の踊り子お百が世古口凌くんで
謎の上海帰りの貿易商・住良木平吉が尾上菊之助さんという豪華な!!!!
他にも岸部一徳さんがバーテンだったり、近藤芳正さんが外務次官だったり
凄い人がいっぱい出てきて、画面の隅々まで目が離せないし
これだけ実力確かな役者さんが大正時代を生きてるという!
大正時代って不思議な時代だと思うんですよ
明治というと、戦いの余韻が残りつつ、西洋文化が入って来て、
大きく価値観が動いた時代で
戦前の昭和はだんだんと戦争が近づいてくる不穏な雰囲気
その間に挟まれた大正時代
和洋折衷の文化が花開き、熟して、落果していく中
大正デモクラシーでいろんな社会運動が活発になって
ある意味、何でも飲み込み、消化し、内包したものが
関東大震災で崩壊して、軍国主義に突入した激動かつ退廃の時代
……という印象があるんですが
そんな危うさが画面から漂ってくる
帝都物語も大正時代が舞台だったし
不思議な魅力がある時代ですよね、大正時代って
欧州で言うと、パリ万国博覧会の頃を舞台にしたスチームパンクが多いのと似てる?
人力中心から動力による機械化へとシフトしていく社会構造と
まだまだ呪術やまじないが信じられている過渡期
萌える!
探偵ロマンスのストーリーは
くず拾いをしながら作家を目指す平井太郎が
自作の小説を文通相手の隆子さんに送ったら、手厳しい批評を受けて
新聞連載欲しさに梅澤から、伝説の探偵白井三郎を見つけろと言われて
見つけたんだけど、そのまま探偵業を手伝い始める
その頃、町ではお金持ちを狙う「ピスケン」という強盗が跳梁していて
ピスケンを見つけるのが最初の仕事
探偵手伝いをしながら、踊り子のお百に魅了されたり
殺人予告状を受け取ったお百が平井太郎を訪ねてきて、隆子さんと鉢合わせしたり
そこになぜか絡んでくる住良木
太郎と同居してる初之助に「きみの物語を聞きたい」と囁いたり
お百を優しく抱き締めたりして、言葉巧みに取り込んで
初之助とお百を利用して、自分は手を汚さない住良木
酷い!
素敵!
大好き!
最終的に誰が何のために犯行を重ねているのか
まあ、それは見てのお楽しみなんだけど
謎解きを考えずに見ても引き込まれる(面白いのとは違うw)
役者さんの演技が秀逸
濱田岳ちゃんの自己防衛で噛みつきまくる小心者っぽさと
隆子さんやお百に「ぽー---」っとしちゃう初心さの演技が素晴らしいし
草刈正雄さんの枯れた品のいい演技
尾上菊之助さんの何とも妖艶で怪しくて、そこにいるだけで圧倒的存在感
ほんと凄い
拳銃での撃ちあいもあるし、格闘もあるし、
派手な演出もあるけど、それはあくまでもアクセントで
メインは見つめ合ったり、体を寄せあったり、そっと触れたり、
睨んだり、見守ったり、
相対する役者さんの間に流れる静かで緊迫した空気が最高
こんな不思議な雰囲気とピースの足りないパズルのようなストーリー
好きだな~
「オリバーという犬」もそんな感じだったし、
「超人間要塞ヒロシ戦記」も似た空気を感じる
最後まで見ても「そうか!わかった!」とはならず
「え……それで? え……終わり?」と戸惑いが残りつつ
なぜか充足感が残るドラマ、好き
民放だったら、芸人さんがわかりやすく出てきて、そぐわない持ちギャグをしたり
やたらとわかりやすさに傾いたストーリーとカメラワークを駆使して
結果的にこの雰囲気を殺してしまうんだろうな
こういう冒険的実験的ドラマ、もうNHKにしか作れない気がする





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最終更新日  2023.02.19 01:09:16
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