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カテゴリ:鍼(Acupuncture)
手術前および術中に鍼(はり)を用いることで、術後に使用されるモルヒネなどオピオイド鎮痛薬の必要性を軽減できることが、新しい研究によって明らかにされた。術後のモルヒネ投与は、悪心や嘔吐など強い副作用をもたらす可能性があり、10人中8人にこのような副作用が生じる。
この知見は、米デューク大学メディカルセンター(ノースカロライナ州)麻酔学教授のTong J. Gan博士らが、サンフランシスコで開かれた米国麻酔学会(ASA)年次集会で発表したもの。手術後の疼痛軽減を目的とした鍼治療の使用に関する15件の小規模無作為化臨床試験のデータを分析した結果、付加的な鍼治療によって術後の痒(かゆ)みが30%、悪心は50%、目まい感は60%軽減することが判明した。 また、鍼治療はさまざまな種類の手術後でも有効であった。Gan氏は、中国鍼だけでなく、鍼通電療法や徒手鍼刺激など他の鍼治療でも同様の効果があると考えており、「鍼治療には外科医のトレーニングが必要だが、重要なつぼは2、3カ所にすぎない」という。同氏は自身が関与する手術の20~30%で鍼を使用している。 米メイヨークリニック(ミネソタ州ロチェスター)麻酔専門医のDavid P. Martin博士は「鍼治療は医師や患者に徐々に受け入れられつつあり、オピオイドの使用量低減や悪心の軽減に有用だ」という。ただし、鍼治療の針は混雑した手術室の中では邪魔になりがちであるため、手術中の鍼治療の使用が広まることについては疑問を抱いている。 米ニューヨーク大学医学部(ニューヨーク)産婦人科臨床助教授のKenneth Levey博士は、今回の知見のうち、不快感をもたらし、感染リスクを高める尿閉が3.5倍減少するという点が特に重要であり、鍼とオピオイドの組み合わせは、副作用を最小限に抑える最善の疼痛管理だとしている。 (HealthDay News 10月17日) http://www.healthday.com/Article.asp?AID=609191 Copyright (C) 2007 ScoutNews, LLC. All rights reserved 本記事→http://www.yakuji.co.jp/entry4794.html お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2007年10月30日 09時59分00秒
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