邪魔してからに(人間になりたかった犬の物語)
お姉ちゃんのことである。時間を間違えて起きちゃったらしい。居間で二度寝をしている。まだ、真ん中に炬燵がある。その向こうにテレビが置かれている。テレビと炬燵の間には雑多なものが置かれている。水が飲みたくなった。「犬の体は水でできている」ということだな。つまり、水を飲むにはお姉ちゃんを乗り越えていかなくちゃならない。最近、ちょっと、太目である。四足だからつんのめっちゃう事もなかろう。加齢が課題だな。こえて越えられないわけじゃないけど、ねちっているし、あとで何を言われるかわかったものじゃない。「マメ。なんてことをするのだ」と怒られちゃいそうだし、・・・。お父さんとアイコンタクトである。「玄関の横のドア開けて」と、・・・。回り道をすることにした。「力による現状変更には手が焼けるなぁ」(犬に手はあるかは不明。)洗面所通って、台所の手前に出て居間に戻る。「それって、すぐか」と確認している。「今でしょう」あれ、・・・。開けてもらった。これで水がいただけるな。