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2006.07.23
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カテゴリ:プチ自慢
私立女子中に通っている一人娘。まもなく15歳。中3。
彼女は口蓋裂というオプションをもって生まれてきた。
しかも心病の母の元に。

近所の公立では彼女はやっていけないと私たちは思った。思いこんでしまった。
幼稚園も近所ではなく彼女の個性を受け入れてくれるところを選んだ。
私が幼児教育に携わっていたこともありかなり吟味して決めた。

そして私たちは彼女を私立小に進学させようと考えた。
夫は中学受験がいいと言う。
私は中学受験より小学校の時から受験なしで上にあがっていくほうがいいと主張した。
家族3人で参加する小学校の行事。説明会。
私たちははまっていった。
そのころの私は今よりずっと元気だった。
すすめられれば不似合いな田園調布の塾にも通った。
幼稚園で「お教室」という塾へ毎日通う。
5歳で模試を受け、偏差値がでる。

呪文のように覚える面接の受け答え。

彼女は合格した。
しかしそこでの6年間は私たちが思い描いていたものとは全く違った。
いじめられる日々。納得いかない日々。

そこで私たちは彼女を別の学校へすすませることに決めた。
「公立は嫌。付属がついているところは嫌。グループができあがってるところは嫌」。
不安でいっぱいの彼女。
塾でさえグループで授業を受けるのは嫌だという。
他の学校へ行ってもどうせまたいじめられる・・・それならこのまま内部進学すると言う。

色々な学校へ見学にいっても浮かない顔。

しかし今回は夫が主張する。
「もったいない。同じ年の子供たちが充実した生活をおくっているのに・・・」。

夫は彼女に言い放った。発奮させたかった。
「受験してどこも受からなかったら内部進学はさせない。公立へ進学する」。

娘はあわてた。
「ママ、どの学校が1番入りやすい?」
「大丈夫。あなたはどこへ行きたい?」

志望校は2校に絞られた。
伝統校ではあるが受験校でも、お嬢様校でもない。第一志望が駄目だった子、もしくは娘と同じ環境で小学校生活をおくってきた子が大半だ。
夫が気にいったところでもない。
娘が選んだ学校だ。

私たちは決めていた。
「受かる確立が高いところしかうけさせない」。

彼女は合格を手にした。
2校とも。内部進学も含めて3校。その中から2校を選ぶ。

「ママ、パパ約束通り内部進学いいよね」。

私たちはなんとか合格した学校へ進ませたいと願っていた。けれど約束は約束だ。
かえってこない入学金を払う。
制服を2校分作る。
「決めていいよ。どちらでも」。

娘は小学校4年の時に転校した友と連絡をとる。
「なんであの学校にこだわるの?もったいないよ。私はね・・・」と話題は弾む。



今日、通っていた小学校の近くを通った。娘が言った。
「ああよかった。あのとき○ちゃんと話してよかった。今の学校へ入ってよかった」。

娘は友達を得た。
気持ちがわかりあえる友を得た。
笑顔が増えた。
夏休みのスケジュールはうまっている。
多少のからかいには動じない。

これから先、どうなっていくのかはわからない。
今が正しいのかどうかもわからない。
親として彼女に辛い体験をさせてしまったと悔やんでいる部分も多い。



「ママ、今度プールに行くの。水着選ぶの付き合って欲しいの。体調がいいときでいいから」。
さすがに夫には言えないらしい。
彼女らしいセンス。派手なものには目もくれない。ナイキを手に取る。
ついでにランジェリーを購入。
ここで彼女の変化を感じる。
とにかくからかわれるのが嫌でスポーツタイプのみを好んでいたのだが
今日は白いりぼんや花がついているものを手にとる。
「ねぇ。ママ、これは派手じゃないよね。あのね、みんなこんな感じのなんだ・・・。私も・・・」。

いいわよ。かわいいじゃない。気に入ったので大丈夫。
自信もって!


「もう受験は嫌。このまま高校へあがるからね。できればみんなと一緒に進学クラスに進みたい」。

了解。

夏休みの宿題を文句いいつつやっている。

どんな夏になるのだろうか。

口蓋裂の治療は続いている。












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最終更新日  2006.07.24 01:56:14
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