【遊覧船事故】当事者意識が無いのは、国土交通大臣も同じなのでは?問題は、救命胴衣は役に立たないということでしょう。
4月23日午後の知床半島の遊覧船KAZU 1の事故で、荒天時の出航が問題視されています。また、通信設備、体制の不備も問題視されています。もちろん、事故が起きた際に助けてくれる他の遊覧船や漁船が周囲にいないのに、単独で出航した判断は明らかに間違いです。しかし、最大の問題は、当時の気温・水温では「救命胴衣だけでは命を守ることは不可能」ということです。亡くなられた方の死因は、溺死以前に低体温症があることは確実です。KAZU 1は、法令に従って救命胴衣、浮器を積んでいましたが、当時の気温・水温では、海に投げ出された場合の延命時間は30分~1時間くらいでしょう。つまり、好天で波のない状況で、無線連絡に支障がなくても、救命いかだ等がなければ、救助に1時間以上かかる状況であれば、命は救えません。国土交通大臣が、遊覧船の社長について「当事者意識がない」と言っていましたが、「救命いかだ」の設置を義務付けていない法令を放置しているほうが、当事者意識を問われるのではないでしょうか。当時の気温や風速がVentuskyでわかりますが、体感の気温がマイナスだったりする状況なので、海に落ちたらすぐに低体温症になったと考えられます。荒天時に単独で出航させた安全意識の無い社長の責任は重大ですが、救命胴衣を積んでいればOKという法令の問題点があまり議論されていないのは不思議です。