テーマ:毎日、一歩一歩。(2526)
カテゴリ:イベント・旅の一歩一歩
なんと言っても注目は「最後の晩餐」でしょう。 このくらいの大きさです。 美術本で何度も目にしていますが、大きさを体感したのは初めてだし、 そばまで行って見たのももちろん初めてです。 イエスの前に立ってしまいました。 というか、イエスの下ですね。ゆみの背だと、机まで届いてません。 調子に乗って、手に触れさせていただきました。 こんなこともできちゃうのが大塚美術館の良さですね。 改めてご紹介。本当に有名な絵ですよね。 ルネサンスの3大巨匠の本を持ってるので、詳しく解説も見てるのですが、 実際こんなに大きいとは…。 「最後の晩餐」レオナルド・ダ・ヴインチ ミラノ イタリア 1495~1498年 420×910センチ(世界遺産) 『ミラノにあるサンタ・マリア・デッレ・グラツィエ修道院の食堂の壁画として描かれたもの。 数少ない完成した作品の一つであるが、最も損傷が激しい絵画としても知られている。』 ということで、大塚美術館では、修復前と修復後の二つの絵が対面して設置されていて 両方を見ることができます。 又も、陶板で復活させてる良さが出てますね。 こちらが修復前。 比べて見ました。 通常に壁画はフレスコ画でしたが、これはテンペラ画。 フレスコは漆喰が乾ききる前に仕上げるので重ね塗りは出来ないが耐久力があります。 テンペラは乾いた後も色を重ねていけるので、レオナルドはこちらを選んだけれど、 温度や湿気に弱く、レオナルド存命中から剥離が始まっていたと言われています。 保存状態が悪かったためにできてしまったシミや、あとから描き足されてしまったものがある ということで、20世紀に大修復が行われました。(1977~1999) 比べて見た感想としては、シミはとれてるけど、色の深みが無くなってしまったり 逆に剥げてしまったところもあるな、と思いました。 これは、後世の修復家が塗り重ねた顔料が取り除かれたためだそうです。 これによって元の絵がどんなだったかわかったようで、イエスの口元が実は 開いていた、テーブルに魚料理が並んでいた、などがあるそうです。 一点透視図法で描かれ、その消失点(天地の交わる点)にキリストの顔があり 世界の中心に居る、ということを象徴している、というのは有名な話。 大塚美術館のガイドさんの説明で重点を置いてたのは、 いろいろな時代の「最後の晩餐」で、裏切り者のユダがどんな描き方をされているか ということでした。 他の作品を見たところでは、ユダだけがそれとわかるように特徴的に 裏切り者(変わり者)っぽく描かれているのですが、ダヴィンチの作品では 12使徒の全部が特徴的に描き分けられているようです。 大塚国際美術館100選より 『「この中に裏切り者がいる」というイエスの言葉に驚く弟子たちの瞬間の動作を、 レオナルドはとらえています。このような主題を人間の心理劇に変えることは 画期的でしたが、この場面には教養的な象徴も隠されています。』 で、ユダはどこか、というと、イエスの向かって左側に、 聖ヨハネ・ペテロ・ユダがピラミッド型に描かれていて、二人の使徒が光を受けている のと対照的に、横顔が影になってるのがユダだそうです。 右手にはイエスを売り渡して得た銀貨を入れた袋を握っているとされています。 これまでの「最後の晩餐」には12使徒には「光輪」(光背・後光)が描かれていて、 ユダだけが光輪が無い、などわかりやすかったのに対し、レオナルドは等しく配置し、 他の使徒にも光輪を描いていないのです。 ヨハネはモナリザみたいですよね。で、ヨハネの首元の手は誰の手なのでしょう? ペテロの下の、ナイフを持った手は誰のものでしょう? この向きになれる人が当てはまらない? ガイドさんがいろんな謎をお話してました。 この絵は細部こだわると、延々先に行けないのでここまでにしておきます。 西洋絵画はその謎まで迫ると奥が深すぎますね。 (と言いつつ、こういう資料とか読むのは好きです。 実は考察にはまっちゃってたりします。) 詳しく知りたい方はこちら ルネサンスとは何か。 (Pen books) [ pen編集部 ] 楽天のリンク付けましたが、ちなみにテディベアテラスから、 cccメディアハウス経由でお取り寄せが出来ます。 (penbooksシリーズならどれでも。ご興味がある方はお問い合わせください。) 本当は上記のpenbooksより、雑誌penの 「ルネサンスとは何か2」の方が「3大巨匠を徹底解剖」で、 ご紹介したかったのですが、楽天ブックスでは売り切れみたいです。 前にラファエロ展に行ったときに買ってきて、熟読。 詳しい説明を読んだので、実物大を見られて楽しいです。 もう一つの注目はこちら。penでは折りたたんだ企画で、全体図が大きく見られました。 が、こちらはホンモノと同じ大きさ! すごいですね。大塚美術館! 「アテネの学堂」ラファエロ バチカン市国 1509~1510年 577×817センチ この部屋は暗かったので、写真はっきり写っていません。 この絵はラファエロの代表作のひとつで、ヴァチカン宮殿の通称[ラファエロの間] の壁画です。フレスコ画。 教皇ユリウス2世から依頼を受けたのが25歳の時で完成した時27歳。 本当に若くして才能を発揮していたのですね。天才ですよね。速さも。 古代ギリシアの学問所にソクラテスやプラトン、アリストテレスなどが集う場面で、 その顔は、3大巨匠などラファエロと同世代の画家や建築家がモデルとなっています。 考えたら古代の哲学者たちは写真もありませんものね。 前に読んでいて覚えていたので、この部分をアップで撮ってきました。 古代ギリシャの哲学者のヘラクレイトスは、ミケランジェロがモデルなんですよ。 そして哲学者に交じって自分も登場させています。 陰に居るけど目線がしっかりこっちを向いてます。 自らも古代哲学者に並ぶにふさわしい存在だという自負の表れということです。 大塚美術館でゆみが撮った写真を使ってるので、画像悪いですが、 有名なのはこちらです。 赤い衣のほうはプラトンでモデルがレオナルド・だ・ヴィンチなのは有名です。 青いほうは、アリストテレスですが、モデルはわからないみたい。 天を指さすプラトンは、精神世界の象徴、 地を指さすアリストテレスは科学を意味していると言われています。 大塚美術館にはラファエロの間の壁画がもう一つありました。 「聖体の論議」ラファエロ バチカン市国 1509年 587,5×818センチ こちらもヴァチカン宮殿(署名の間)の壁画。ラファエロ26歳。 天空と地上の両方に広がる存在として協会が描かれています。 ラファアエロは15年かけて4つの間の壁画を仕上げています。 今ではその4つの間を[ラファエロの間]と呼びます。 ゆみが3大巨匠の研究(?)をしたとこによると、 ラファエロがフィレンツェに来た時が21歳で、その時ミケランジェロは29歳、 レオナルド・ダ・ヴィンチは、52歳でした。 ラファエロは37歳で亡くなって、その前の年に亡くなったダヴィンチは67歳、 ミケランジェロはそのあと40年89歳まで生きました。 それがわかってると、また絵を見たときの感想が広がりますよね。 ルネサンスの絵は、美しいので見ごたえがあって写真撮るのも楽しかったです。 個人的に好きだからかもしれないです。 図録100選には、ミケランジェロもダヴインチも2点だけ、 ラファエロは1点しか出ていないのです。 まあ、世界中の全時代からのセレクトですから仕方ないのですね。 前回のゆみのレポで、Jumiちゃんが触っていた絵はこの絵です。 いわくつきの絵で、Michikoさんと3人でじっくり見てみました。 ダヴィンチの若い時の絵です。 「受胎告知」レオナルド・ダ・ヴィンチ フィレンツェ イタリア 1472~1475年頃 98×218センチ ウフィツィ美術館 レオナルドダヴィンチが20~23歳くらいの作品。 大塚美術館の中だけでも「受胎告知」の絵はたくさんの画家の作品があって 作品一覧表にも14個の「受胎告知」が並んでます。 他にもシスティーナ礼拝堂の壁画にもエル・グレコにも 受胎告知の場面はありました。この時代の需要の多い絵だったようです。 ダヴィンチの絵は、大天使ガブリエルの登場にも全く動じないマリアが描かれています。 ここでガイドさんの説明がありました。 ん?マリアの手の長さが不自然?まだダヴィンチが若いから表現が稚拙? マリアが動じてない姿の描き方も、筆が堅いから?など・・・。 手が長いのは、こちらから見るとよくわかるそうです。 なるほど。ちょっと変?と思うのですが、徐々に角度を変えていくと、そうでもない? そしてこちら側に回って見ると、手はおかしくありません。 うん、確かに。全然おかしく見えません。 これは、今美術館の中では入口から入るとこちらから先ず見えるように設置されていて、 もしかしたら、見る向きを考慮して描かれているものではないか?とも 言われてるそうです。 2時間にわたるガイドさんのお話は、途中はぐれたりしたこともあり、 へえ~、ホント?と自分が思ったところしか記憶にないのですが、この話は残りました。 帰ってきて調べてみたら、その説は本当のようで、 『右腕が長いのは、右下の方向から鑑賞されることが予定されていた作品だったようだ。 実際にダヴィンチ「受胎告知」を右下の方向から仰ぎ見ると、 若干長く描かれた右腕が絶妙な遠近感をもたらして、正面から見た以上に奥行きをもって、 見る人の目に映る効果があらわれるという。 広めにとられた人物間の間隔も、この遠近感・奥行き感の演出に一役買っているのだろう。』 と、書いてありましたよ。 「受胎告知」とは、『ルカによる福音書』1.26 - 39 に記されている、 大天使ガブリエルがキリスト受胎を告げるために聖母マリアのもとを訪れた場面。 ガブリエルはマリアに「神の子」と呼ばれる息子を授かることを伝えるために 父なる神から使わされたのです。 西洋美術を理解するには、聖書を知らないとダメですね。 ゆみは大学がカトリックですので、キリスト教学の時間はありました。 分厚い聖書、持ってますけど、今ある知識はもう一般教養程度です。 そう言えば母校の校名になってる花は、この受胎告知でも重要な意味を持ち、 聖母マリアの純潔・貞操を象徴する持ち物(アトリビュート)として、 ある種の約束事のように絵画の中に登場する、ってことで 今更ながら、そういう深い意味のある校名だったのかと気づきました。 大人になってもまだまだ知らないことはありますね。 どんどん忘れていくだけじゃなくて、また勉強しなおさないといけないね。 ルネサンス絵画だけに限らないのかもしれないですが、絵の一つ一つの解説や謎を 今も研究し続けてる人がいるわけで、そこまで見ていったらキリが無いです。 なので、好きな絵を楽しみましょうって思って・・・ 撮ってきたのラファエロばっかりかも。 「小椅子の聖母」ラファエロ フィレンツェ 直径71センチ 1514年 ピッティ美術館 「美しき女庭師」(聖母子と幼児聖ヨハネ)ラファエロ パリ 122×80センチ 1507年 ルーブル美術館 「大公の聖母」ラファエロ フィレンツェ 1505 84×55センチ ピッティ美術館 前にも書いたかもしれないですが、この絵が一番好きです。 上野の西洋美術館に見に行った時も、この絵のグッズばかり買ってしまいました。 本当にきれいだし、見てると心安らぎます。 ラファエロが有名になり始めた頃。ダヴィンチの影響を受けて、 簡単な背景の中に浮かび上がる聖母子像を描いたと言われています。 好きな絵の前では、この子が登場です。 アップにしても、やっぱりこの絵は素敵だ~。 さて、ダヴィンチも、しっかり代表作は撮ってきました。 ダヴィンチと言えば? やっぱりこれですよね。子供の頃に、この絵が日本にやってきたのです。 ちょっと若い人は知らないかな~。 名画が日本にやってきて、大騒ぎになった最初の記憶です。 その後はゴッホのひまわりも来て見に行きましたが。 「モナ・リザ」レオナルド・ダ・ヴィンチ パリ 1503~1506年 77×53センチ ルーブル美術館 感覚として、西洋の名画、って言ったら「モナ・リザ」が浮かぶ人多いんじゃないかな。 日本に来た時の絵の名前は、「モナリザの微笑」でしたよね。 ダヴィンチが最後まで持っていて、依頼主がいないこと、モデルが誰かの論議など、 まだわかっていないことが多い謎の絵ですが、世界で一番有名な肖像画かも。 上野にルネサンスの3大巨匠の展覧会が1年で3人とも行われた年、 3つ全部制覇しましたが、その中で西洋美術館で行われたダヴィンチ展では、 絵画の展示は少なくて、がっかりした人もいたようです。 ゆみは逆に、哲学者や科学者としてのダヴィンチのスケッチや手紙などが 豊富に観られて、貴重な機会だ、と途中からすごく楽しんでしまいました。 その中に、来てた絵画がこちら。 「洗礼者聖ヨハネ」レオナルド・ダ・ヴィンチ パリ 1513~1516年 69×57センチ ルーブル美術館 ダヴィンチの最晩年の作品。洗礼者聖ヨハネ。 こちらも手元に残した作品で、溺愛していた弟子がモデルとされる。 『ダヴィンチは多くの作品に人差し指で天を指差すポーズを取らせているが これはキリストの到来を予告する悔悛を説いてるとされている。』 こちらでもこの子が記念撮影。 記念撮影はこの子に任せて、ゆみ自身はほとんど絵の前に立った写真は 撮ってもらって無いのですが、 さすがに、モナリザの前くらいは記念にとってもいいよね、ってことで… せっかく来た記念に、Michikoさんと、Jumiちゃんと、ゆみの 初の3ショット。記念撮影をお父さんが撮ってくれました。 初めての3ショット。 この写真を見た友達が、「ゆみちゃん、なんでただでさえ小さいのに、 わざわざしゃがんでんの?せめて背筋延ばして立ってたらいいのに。」と。 「だって、モナリザ見えなくなっちゃうと思ったんだもん!」 でもモナリザ前でいい記念になりました。 ここで、Michikoさんとお父さんのツーショットもお撮りしました。 記念に喜んでくださったかな?お父さん。 いつまでも若々しい奥様で、お父さん幸せですね。 お元気できれいで全然実年齢に見えないMichikoさんに 「若さの秘訣はなんですか?」とお聞きしたら、お答えは 「好奇心かしら」と。 うん。きっとまさしくそれですネ! もちろん日頃の食生活やお手入れやいろいろあるでしょうけれど、 やっぱり、気持ちです。きっと。 何にでも興味を持って行く心が大事なのかと思います。 この旅で、Michikoさんとお話できて、本当にいろいろ感じ、学びました。 これからの自分の生活に生かしていけると思います。 Michikoさんとのお写真は最後にシスティーナ礼拝堂にもう一回行ったときにも 撮っていただきました。 ブログでお知り合いになって何年かたっているんですけど、 お会いしたのは本当に今回が初めてです。 けれど、この大塚美術館を一日一緒に回っていただいてる間に すっかり前からお知り合いだったような、懐かしい親戚に久々お会いできたような そんな親近感がわいていました。 ブログを読んでてくださるので、何気ない会話の中に「これはゆみちゃんが好きそう。」 と言っていただいて、すごく嬉しかったです。 この後初めてお家にお邪魔してお泊りさせていただくのですが、 何の不安もありませんでした。(ずうずうしい?) 大塚国際美術館レポはまだ続きます。 ここでは、ルネサンスの中の3大巨匠にスポットを当ててレポしました。 ここは思い入れがある時代でした。 この先バロックや近代~現代までまだまだ見学路は繋がっています。 もうちょっとだけ(?)おつきあいください。 そうそう、こういうのありました。 「最後の晩餐」。さすがにここから顔を出すことはしませんでしたが。 ピカソのゲルニカまで…がんばってレポ書きます! 日記、読んでくださってありがとうございます。 ランキングにクリックいただくと一票入ります。 励みになりますので、覗いて見てくださると嬉しいです(*^。^*) こちらはインテリア・雑貨部門です。 日本ブログ村のランキングは にほんブログ村 インデックスになってます。 ここからいろいろ繋がっています。行ってみてください。 http://www7b.biglobe.ne.jp/~teddybearterraceyumi/ お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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