|
カテゴリ:耽美なるもの
年に1度、この時期に行われ、
おととしから欠かさず見に行っている「エコール・ド・シモン人形展」。 今年はなぜか葉書が届かず、 そのことを忘れていたのだが、 友人が声を掛けてくれたのでまた足を運ぶことができた。昨日のことである。 例年どおり、 紀伊国屋書店のフロアーの一角にあるスペースで行われたのだが、 入った瞬間、目の前の空気が違う・・?気がした。 そこにはなんと・・!! 四谷シモン本人 が・・!!(@@;) うわ~~うわ~~~ 友人と(ご本人だね・・)などと囁きつつ、 平静を装っていたが、実はかなり興奮&一気に緊張!していた。 うぎゃぁ~~ちょっと声掛けてもいいかな!?サインとか、いただけるのかしら!? 心拍数が一気に上がった!(・・ような気がする、いや絶対!) だって 高校生の頃からファンだったのだ! (本人じゃなくて人形だけど) だけど、それを作ったのはシモンさんなのだ。 ご本人も素敵なのだ。 まさに「神」のような、雲の上の人ような こんなバッタリ出くわしていいのかどうか? そんな恐れ多い存在のシモンさんが眼前に・・! タイムワープできるのなら、人形写真集をガン見していた女子高生の自分に言いたい。 「あなたは将来、シモンさんに会って、お話をするでしょう」 ・・・と。 ええ、お話しちゃったんです、成り行きで。 (ウソ~~~!) ソファーに座ってお茶まで出してもらって。 (あたしが!?このあたしが~~!?)←友人と4人でした シモンさん自身は、この人形展には当然顔を出していらっしゃるようだが、 それがたまたま昨日で偶然お会いできた。 もんのすごいカリスマ的雰囲気を持った方で、話しかけるのがためらわれる・・? んじゃないかと思ったら まったくそんなことはなく、非常に腰が低く、気さくな方で 私たちとの会話にもとってもフレンドリーに応じてくださった・・という次第。 甚だ素人くさい質問にも、にこやかにそして丁寧に答えてくださり、 この人形たちがどうやって生まれたのか、その一端を垣間見せてもらった・・と、言ったら言い過ぎかしら? まさか会えるとは思ってもいなかったので、 積年の思いをぶつけるに至るような、且つ気の利いた質問は出来なかったけれど、 それでも目の前にいるシモンさんにいくつか質問をしてみた。 -毎回、テーマなどはあるんですか? 人形は可愛い。まず、人形は可愛いでしょう? 人形ってそこだと思うんですよ。 見て、「可愛い」と思う。 ほかに、可愛いって形容する芸術ってないでしょう? 可愛い絵画、可愛い音楽・・とはいわない。でも、人形は可愛いっていうのがある。 それで、そういうものを作りたい、と。 だから今は可愛いものを作っています。 -シモンさんのお人形は大きいですよね ええ。 実はね、僕、不器用なんですよ。 だから小さいとすごく苦労して大変なんです、作るの。 指とか爪なんかもね だから大きいんですよ。 -作っていて楽しいのは、顔ですか? やっぱり顔だね~。うまくいかないときもありますよ、ああしたりこうしたり、 やり過ぎちゃったり足りなかったり。 ほっぺにお肉足したり、また削ったりね。 でも楽しい。 で、引き際が難しい。 ここでやめる、という・・ね。 -作ろう!という意欲が湧く時、そうじゃない時ってあるんですか? それはね、もう、意欲が湧くというより、ただひたすらね、手を動かす。 (粘土をこねるような動作をしながら) 考えながら・・とかそれ以前に、とにかく指を動かすんです。 そうやって、出来上がってくれる、形になるのを待つんです。 -作っていて、神が降りてきた・・!というような瞬間は? 作っていたら、やりすぎたり、足りなかったり、いつもそう。 瞬間瞬間で違ってくる。難しいですね。 でもね、「機械じかけの少年」っていうのを作ったとき、 (あぁ、これだ)と思った。 それで、次も同じものを作ろうと思ったの、 そうしたら、出来なかった。 もう、全然違うの。 似せてもまったく別のものでね、 同じ、はないんですね。 同じことをしようとしてもだめ。やっぱりね。 でも、「一生に一度だけでも、自分が納得できるものを作れた」って、 それもいいじゃない? 一度もないかもしれないんだもの、一回でも作れたんなら・・ね。 -もうずっと前から、やってみたいと思ってたんですけど、なかなか踏み出せなくて・・ 皆さんそうおっしゃるけど、まずはやってみることですよ、 大変な作業ですけどね、地味だしね。 でも、技巧的なことはいくらでも教えられる。 まずやってみる とにかく指を動かす。 好きだということが1番です。 それからシモンさんは、「書」をやっている友人に 上記の「一生に一度でも・・」の言葉をかけて励まし、 長く人形作りに憧れつつも、物理的事情から躊躇していた私は 「敷居は高くない、とにかくやってみてください」という言葉から 勇気を頂いた。 もちろん、 サインにも気軽に応じていただき、まさに夢のようなひとときだった。 最近の製作は、年に一体・・と仰っていたシモンさん。 工房でもくもくと作っておられる姿が目に浮かぶ。 「誰かひとりでもわかってくれたらいい、はだめ。それじゃ独りよがり。 やっぱりみんなに認められるものでなくては・・」と仰っていたのが印象的だった。 *実に、40分ほどもお喋りさせていただいたと思う。 澁澤龍彦とか金子國義、沢渡朔など、そうそうたる方々との交友関係から ご本人もアカデミックで近寄り難い雰囲気なのかな?と思いきや 終止穏やかで気配りをされる、とても気さくな優しい方だった。 (お茶と共に、お菓子も勧めて下さったのだ!) 四谷シモンさんがお菓子を・・!? これを高校生の私が見たら・・!(@@;;;) お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
[耽美なるもの] カテゴリの最新記事
|