相武紗季
カラー作品に仕上げる前の線画ですが、スケッチでアップです。ドラマやCMで露出が増えてきた彼女ですが、やっぱりかわいいですね。最近は美白がもてはやされているようですが、彼女のように浅黒い健康的な肌の美少女というのも存在感があります。色を乗せる時はそのあたりをうまく出したいですね。ところで先日、テレビのオムニバス・ドラマで、江國香織さんの短編「デューク」をやっていました。僕にとってのこの作品は、もうかれこれ15,6年前に読んで感動して、当時好きだった女性にプレゼントした程のお気に入りで、思い入れが深くてすっごく懐かしくなり、当然オンエアを観ました。主演は優香さんと中尾明慶くんで、原作に比較的忠実なドラマに仕上がっていましたし、二人の若い俳優さんの初々しい演技で、なかなか良かったと思います。ただ・・・僕としては、このお話を初めて読んだ時のイメージではなかったですね。きっと他にも、というかほとんどの、この短編の読者はそう感じたのではないでしょうか。江國さんの文章は無駄がなくてスッと心に届くので、余計な演出が入ったり、単に演技としてビジュアル化すると、空々しくなってしまう。特にファンタジーなので、人それぞれのイメージが強く存在しているだけに、それをドラマで一般化してしまうのは、ちょっと無理があったのでは?と思いました。ただ、今回”へぇ”と思ったのは、オンエア前の作品紹介で、”このお話は、2001年のセンター試験で丸ごと出題され、受験生が感動の涙でテストどころではなくなった。”という逸話が紹介されたことでした。僕はこのエピソードを知らなくて、問題考えた人、なかなかやるなぁ・・・なんて思いました。それくらい原作は感動するし、泣けちゃうんですよ。ちなみに、僕が読んだのは「つめたい夜に」という初の短編集が出た時でした。まだ持っているつもりでしたが、書棚にはなかったので、誰かにあげたんでしょう。また本屋で探して、懐かしく読んでみたいなと思っています。