ＨＩＮＡの　『愛をあなたに』

最後のホームルーム
親達も教室に入り、後ろから見守っていました。
そして先生からひとりひとり卒業証書をいただき、
生徒達がスピーチをすることに。
これは前もって話すことを準備していたわけではなく、
ただ式が始まる前に先生から言われたとか。
ですから皆すらすらと話すことはできません。
中にはなかなか言葉にならなかったり、大泣きして言葉を発することも難しい子も･･･
しかしそんな彼女達を先生もクラスメートも静かに待っています。
そして全員『伝えたい気持ち』を途中であきらめることなく最後まで伝えきりました。
ひとりひとり主張は異なりますが、
クラスの素晴らしさ
先生への感謝
これからいろいろな方面に旅立つ友への励まし
自分自身のがんばる決意
その一言一言が心の底から出た言葉であることが
私達にもひしひしと伝わってきました。
そして同じ思いを話すにしてもたとえ繰り返しであろうと
それぞれがそれぞれの言葉で語るのです。
言葉を飾らず、涙を流しながら
思いのたけを素直にぶつける姿に感動しました。

担任の先生は普通ならもう既に定年を迎えている年齢の女性です。
初めて2年生の時担任を受け持っていただき、お話を聞いた時
正直私でさえ世代のギャップを感じる程時代錯誤の感がありました。
今から思うと恥ずかしい限りですが、娘と一緒になって不満を口にしたりも
していました。
しかし1年間担任していただき、3年生になる時には
どうか次も先生に担任してほしいと娘は心から思っていました。
なぜなら先生の指導には「愛」があるからです！
口うるさいことにかけては天下一品
服装・言葉遣い・態度　すべてに妥協を許さない先生ですが、
はっきり言って生徒に対する言葉はものすご～くきたないです。
でも生徒ひとりひとりをよく見て、ひとりひとりのことをとても
大切に考えてくれているのが生徒にはわかるのです。
そして先生は正直です。
嘘やごまかしをしない、いい加減で終わらせない。
思いっきり叱るが、出来たときにはストレートに褒める。
人間として学ぶことばかりです。
生涯ご自分の子供を持つことはなかった先生ですが、
とてもたくさんの生徒達を育てて下さいました。
ほんとに感謝の気持ちでいっぱいです。

このような素晴らしい先生との出会い・クラスメートとの出会いを持てた娘はなんと幸福でしょう。
この日のことを忘れずに、明日に向かって前進してほしいです。