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テーマ:今日のこと★☆(106276)
カテゴリ:和の世界のこと
お待たせいたしました、
本日初日の新橋演舞場6月公演、NINAGAWA十二夜。 3月にロンドンのバービカンシアターに凱旋上演。 以前、歌舞伎座で上演しておりますが、今回はロンドン版の上演です。 シェイクスピアの「十二夜」 数あるシェイクスピアの喜劇の中でも大好きな戯曲です。 歌舞伎として翻案。 スピーディに展開していて、分かり易く、またシェイクスピアの台詞の醍醐味をうまく伝えていたと思います。 何よりも登場人物たちが、生き生きと恋をし、活躍している。 あらためて、シェイクスピアの戯曲の面白さを感じました。 時は、昔。紀州灘の船上、美しい主膳之助と琵琶姫の双子の兄妹(尾上菊之助二役) 突然の嵐で、舟は沈み…。 浜に打ち上げられた琵琶姫と舟長磯右衛門(市川段四郎)。 兄と離れ離れになった、琵琶姫はお小姓姿になり、この辺りを治める大篠左大臣(中村錦之助)に仕える事に。 さて、大篠左大臣は、大納言家の織笛姫(中村時蔵)に恋をしていたが、 織笛姫は、兄を亡くし喪に服していて、大篠左大臣の思いを受け入れない。 恋にやつれる左大臣。そこで、お小姓獅子丸(実は琵琶姫)にこの恋の使者をさせることに。 獅子丸(琵琶姫)は心中複雑。左大臣に思いを寄せていたからである。 一方、織笛姫の屋敷では、彼女をとりまく叔父や家来たちが、織笛姫へ恋心を抱く丸尾坊太夫(尾上菊五郎)を面白おかしく化かす騒ぎ。 織笛姫は、使者にやってきた若く美しい獅子丸に恋心を抱き…。 もつれにもつれる恋騒動の結末は、いかに…。 主人公のほかに織笛姫の女中、麻阿(市川亀治郎)が恋に狂う丸尾太夫を手練手管に操る楽しさ。 この女中麻阿は、恋の醍醐味を知り尽くしているかのように面白い。 舞台写真は、アップできませんので、ごらんになりたい方は、「松竹」のHPのNINAGAWA十二夜のサイトで☆ 蜷川さんの演出の素敵さ面白さは、まず幕開きから。 左大臣家の庭。桜の花の散る中で、三人のお小姓が(可愛い子役)ハープシコードの演奏で、 キレイなボーイソプラノで聖歌を歌う。 この演出が、十二夜の世界へと私たちを誘っていきます。 新橋演舞場での公演は、今月28日まで。 大阪松竹座の公演が、7月5日から27日まで。 原作の面白さを味わいたい方は、是非ご一読を。 今日の舞台は、小田島雄志先生訳でした。これを歌舞伎にテキストレジしてありましたが。 私は、この十二夜のヴァイオラ(琵琶姫・獅子丸)の役が好きです。 数あるシェイクスピアのヒロインの中で、ジュリエットも好きですが、 やはり、ハッピーなところでヴァイオラ。 ヴァイオラの台詞、「この恋の糸は、私の両手にもつれてあまるわ。」 大人になって、自分の恋が上手くいかなかった時にふと頭をかすめたことも(笑) 今日の思い出話ですが… さて、幕間のブログでワタクシのチラッとしたお着物。 昨夜、母に「着物を着ていきなさいよっ。」と言われ、 箪笥を開け、単(6月はひとえの着物です)の着物を何枚か選び、 この水色の矢羽根に決めました。 実は、母の友人に頂いたもの。大人になって自分で作った着物もありますが、 彼女から頂いたものも多く…。 私は歌舞伎に通っていた少女時代から良くこの母の友人のマンションに泊まりに行っていました。 彼女は、いわゆる粋な世界に生きる女の人でした。(ご想像までに…) ある時、彼女の家から歌舞伎に行くことになり、その時「ちょっと待ちなさい。」と彼女は、 自分の着物一式を用意しました。紫の矢羽根に黒地に菊の刺繍の帯…(後年こちらも頂きました) 大人の着物でした。 彼女に着付けしてもらい、ぽんと背中を押され「はい、行ってらっしゃい」と送り出されました。 少女から大人になっていく、彼女から沢山のものを吸収した時期。 口紅の色、香水の香り、はたまたストッキングの選び方まで。 そして、彼女は…男の人と居なくなってしまいました。 私は、探しましたが見つからず…。 相手が悪い男の人だと気付いていました。 落胆している私に父が、「あいつが好きなんだからしょうがねえや。」と言いました。 男と女ってそんなものだよと。 「もつれた糸のように両手にあまる」恋の糸。 シェイクスピアのお芝居のように現実では、とけないこともあるものだと…。 今日は、ここで幕。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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