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※デンタルサポート・コムネット TOGETHERに連載中の
『天ママStyle』の内容をアップさせて頂いております。 ******************************************** 1歳半の娘を実家に置いて、30歳で北海道の歯学部へ入学し、 長い冬を迎えて、降りしきる雪を窓から眺める頃、 あふれそうになる涙をこらえながら必ず聴いていた曲が、 ディオンヌ・ワーウィックの歌声でした。 彼女の声に、どれだけ元気づけられたことか…… 昨日、ブルーノートで72歳になった彼女の歌を生で聴きながら、 私の頭の中には、あの時の雪景色と、あの時の涙が浮かんでいました。 先日、私の第二の母と慕っていたおばさんが亡くなりました。 このおばさんは私の両親の友人で、 家族ぐるみで親戚以上の付き合いをしていました。 おばは3人の男の子がおり、そのうちの誰かと私を結婚させたかったようです。 縁がなく、他の男と結婚し、そして離婚した私の事を、 それでも本当によく面倒をみてくれました。 36歳で歯学部を卒業し、東京に出て無我夢中で義歯の勉強をし、 勤務医、そして開業と働きまくりながら、 実家に預けていた娘を引き取り、 2つ目の診療所を手に入れたのがちょうど40歳の時でした (この間の苦労話は、いずれ何かで書きましょう) あまりにも突っ走り過ぎて、すべての歯車が狂い、 2つ目の診療所はガタガタに…… 娘との生活はチグハグに…… 朝はお弁当作りのため5時半起き、そして相変わらず夜は9時まで診療…… 更にわずかの預金も底が見えてきて…… こんな八方塞がりの状況の中、思わず私はおばに電話をしていました。 「おばちゃん、私辛いんヨ。 貯めていたお金も全部無くなりそうやし、娘との生活もうまくいかなし、 もうどうしたらいいんか、わからん。どうしよう?」 するとおばは今まで聞いたこともない大きな声で、こう言ってくれました。 「久ちゃん、いくつになったんや! あんたも年取ったなぁ~。とうとうグチを言うんかい!」 「エッ、どういうこと?」 「あんたは、あの大変な離婚の時でも、平気な顔をして頑張っていたのに… お金は全部無くなってから考えなさい! 娘の事は大丈夫、ちゃんとなるって!」 「私、今、グチ言うた?」 「グチや! グチは言うたらあかん。言うたら負けや」 「分かった。おばちゃん、お金が底をつくまで、とにかく頑張る。グチは言わん!」 誰に勝っても、誰に負けても構わないのですが、 ただ自分自身に負けないためにグチを封印したら、 段々周りが見えてきて、しばらくしたら仕事も娘の事もうまくいっていました。 今思い返すと、私の人生の大変な時には、必ずおばが居てくれました。 実母よりも、おばに頼る私の事をおばは愛してくれていたのだと思います。 今頃、涙が出るなんて…… 死んでしまえば何もかも終わりですが、 おばに愛されていたと思うと、 心があたたかくなり、悲しみが薄らぐ気がします。 おばちゃん、私もあなたの事をとても愛していました。 大好きでした。 もう逢えないと思うと寂しい…… おばちゃんの本当の娘でいたあの頃、 あのバカ笑いしていた昔が…… ……なつかしい…… 私も幸せに死ぬために、残す人を幸せな心にするために、 人を愛し、愛されて生きておこうと思う。 話は変わります。 ディオンヌ・ワーウィックさん、 今度は違う国で出逢って、友達になろうね。 そして、一緒に歌おう!! お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2013.08.09 10:09:52
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