神というものを考える??
『各方面から絶賛されたストーリー仕立ての異色の経済書に、1冊分の続編が新たに加えられた『増補版 なぜ今、私たちは未来をこれほど不安に感じるのか? 』が発売され、大きな話題を呼んでいます。その一部を紹介し好評を博している本連載。今回は、一神教の世界に取り込まれなかった唯一の先進国である日本の特殊性について考えます。(太字は書籍でオリジナルの解説が加えられたキーワードですが、本記事では割愛しております。書籍版にてお楽しみください)● 日本人が知らない、日本という国の特殊性「さて、このように考えの違いが3つの宗教にはあって、一神教の排他性ゆえに起きてくる宗教的な主張の違いがいざこざの原因だと、一般には解釈されるわけです」「一神教じゃない日本人にはよくわからないけど、スゴイ話ですね」「逆に、日本がいかに特殊なのかを理解したほうがいいと私は思うのです。4回目のゼミで話したように日本は世界システムに取り込まれなかったゆえに、世界の半分の人の宗教になった一神教の世界にも取り込まれませんでした(『増補版 なぜ今、私たちは未来をこれほど不安に感じるのか? 』参照)。ですから、自然の中で生まれたアニミズム、つまり古い昔の人間が持つ森の宗教、多神教の世界を残しています。そして、海外から渡来してきた弥生人と日本古来の縄文人が融合して日本人になったように、外から入ってきたものを、自分たちの文化に無理なく同化させていくのが得意なのです。例えば、お寺の中に神社があったりするじゃないですか」「たしかに! よく考えたら変ですよね。前から不思議だったんです」「日本人は、後から入ってきた仏教の仏様は、日本にいた神様が姿を変えたものというような感じで、新しく来た仏をもともといた神と同じ働きをするものと考えたわけです。こうして、仏様は日本の神様とケンカすることなく無理なく仲良く習合していくのです。逆に言えば、お寺に神社があるのが明治時代まで普通だったんですよ」「なるほど、そういうわけでお寺に神社があったりするんですね」「『クリスマスと正月が同居する日本に世界の宗教家が注目! 寛容の精神に見る、宗教の本質とは』と題して、TEDで松山大耕さんという京都のお坊さんが話されていました。この方、お寺の子どもに生まれたのにカトリックの学校に行っていたそうです」絵玲奈は思わず吹きだした。「それ、笑えますね。あ、でも私も普通の家なので一応は仏教徒といえば仏教徒ですけど、カトリックの学校に行ってました。よく考えたら似たようなものですよね」「でも、その話を敬虔なカトリックの国のアイルランドのB&Bで泊まったときにしたら、そこのおかみさんに“なんであなたの国はそんなことができるの? アイルランドでそんなことをしたらあなたは殺されても文句は言えないわ”と言われたそうです」「まさに排他的な話ですね……」「日本人はキリストの誕生日であるクリスマスをお祝いし、年末にはお寺で除夜の鐘を聞いて、そしてお正月には神社に初詣に行って、特におかしいとは思いません。日本ではこういった宗教の寛容性というのは一般的です」「最近は、ハロウィンがすごいですよ」「ですよね~。ハロウィンって仮装のお祭りになっていて宗教的な意味はもはやだれも理解してないし、どうでもいいって感じですよね~。、、ところで、松山さんは、日本の仏教はカレーだとおっしゃっているんですが、すごく的確なたとえだと思いました」「カレーですか? 」「仏教はインド発祥ですよね。インド発祥の上座仏教は、戒律の順守、それから経典の学習、瞑想の修業などが目的で、妻帯も肉食も許されません。でも、日本の仏教は妻帯を許されていますし、修行中はお肉・お魚を謹んで精進料理を食べますが、修行が終わってしまえば特別厳しい戒律はありません。そして、葬式仏教と蔑んで言われることがありますが、本来の仏教にはない先祖供養や、普段の生活の中での礼節を敬うといったことを重視しています」「わかりました! カレーはカレーだけど日本のカレーはインドで生まれた本当のカレーとはぜんぜん違うってことですね」「そう。そのとおりです。日本人は本質を失わずに自分のところの文化に合わせたものにアレンジして取り込んでいくのが得意なのです。日本の仏教は日本古来の宗教である神道の影響を受けて、日本にふさわしい形で洗練されてきたわけです。ですから、もともとブッダが始めた原始的な仏教とは実践の方法は違いますが、本質を失ったわけではなく、ブッダが唱えたすばらしい哲学と教義に基づいているというわけですね。松山さんは日本人の宗教観というのはBelieve in somethingではなくて、Respect for somethingもしくはRespect for othersだとおっしゃっていて、日本人の寛容性のある宗教観を世界中にシェアできれば、世界のみなさんにすばらしいアイディアを提供できると強く信じているとおっしゃっています」「すごく納得です。だって自分のとこの神様が絶対だと言って、やられたらやり返すみたいなことをやってたら、ヤクザの抗争みたいで終わりのない泥沼ですもんね」「そうなんですよね。前期の6回目のゼミでは“日本人がやるべきこと”をお話ししましたが(『増補版 なぜ今、私たちは未来をこれほど不安に感じるのか? 』参照)、日本だけが、一神教の世界に飲み込まれなかった唯一の先進国なので、宗教的な面においても日本人が世界に示すべきことは大いにあるのです。本当に、日本のような宗教観が世界で受け入れられるとすれば、憎しみが連鎖するヤクザの抗争のような世界に終止符が打てるかもしれませんからね。ちなみに、松山さんはリスナーからのお悩みを、神社の神主さん、仏教のお坊さん、キリスト教の牧師さんの3名が一緒になって解決するというラジオ番組を持たれているそうです。この番組のタイトルが『8時だヨ! 神さま仏さま』なんだそうです」、、絵玲奈はまた、思わず吹きだした。「それ、いいですね。こんなタイトルが許される緩い感じが最高です。日本はいい国ですね」、、(続く)』ダイヤモンド・オンライン よりhttp://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20160607-00092169-diamond-bus_allわしゃ思うんじゃが、、神様というもんは、各民族が勝手に名前をつけて崇めとる、一つの宇宙神じゃと考える^^何十年もその本質を考えて居ると、おのずと見えてくるもんじゃ^^まあ、、目に見えない神を信じない唯物・無神論者は、運命の荒波に翻弄されるだけじゃろう、、、 ところで、今朝は朝から、小雨がシトシト。梅雨に入ったんかの~><