映画「消えたフェルメールを探して」
消えたフェルメールを探してサブタイトル「絵画探偵ハロルド・スミス」先週、渋谷で友人とランチをした帰りにひとりで観に行きました。1990年に盗難に遭って以来、未だに発見されないフェルメールの「合奏」。女流監督が自ら電話をかけ「合奏」の調査を依頼したのが盗難にあった美術品の調査を長年続けていたハロルド・スミス氏でした。この映画は、実在の探偵ハロルド・スミスと共に幻の絵画「合奏」の行方を追うドキュメント作品です。このハロルド氏。片目だけのサングラスと義鼻は、若い頃皮膚がんを患ったためのもの。ユーモア溢れる語り口と人柄の良さで周りを魅了します。新聞記者、元美術品大泥棒、警備員などとのやりとりは、とても興味深く、わくわくしてしまいました。そして、何より心に残るのは、「合奏」を語る人々の声。部屋にさしこむ光の美しさ。まるで音楽が聞こえてくるよう。赤い椅子。大きな後姿の男。映像を通してでもこれだけ素晴らしいのですから、実物を前にしての感動は、計り知れないでしょう。どうやらこの盗難事件の背景には、アイルランド独立派の組織が存在し、盗難は政治的取引のために仕組まれたものであることを仄めかし、ハロルド氏の死去によって未解決のままこの映画の幕も閉じられました。ああ、切ない。ハロルド氏の最期の言葉が忘れられません。「絵の回収は社会の意識にかかっている。」と。近い将来、「合奏」が私たちの目の前に現れることを心から願っています。★こちらも読んでみたいです。 ★最近読んだ本@私編 ★最近読んだ本@ユウキ編