実は以前雑誌でチラッと見て気になっていた人だった。
ただ、掲載誌が掲載誌なだけ（マンガ・エロティクスｆ）にちょっと不安ではあったのだが。。。
表紙を見てちょっと安心した。インパクトがあってすごくいいのだ。構図も色彩感覚も。

中の絵は、なかなか個性的だけど、多田由美の影響が見える。気になるほどではないけれど。
それより、キャラの描き分けが少し甘いような気がする。素敵なおじ様がいっぱい出てくるのだが、良く似ててどれが誰か分からなくなってくるのだ。もう少し、身長差や、体型を変えても良かったのにと思う。
気になるのはそれくらいで、とてもスタイリッシュな絵柄だし、この個性を大切にしてくれれば将来楽しみな漫画家だと思う。（えらそ～だね。まったく）

ストーリーは。。。

実家の祖父母に子どもを押し付けて再婚し、そのまま15年も会いに来なかった母親（と再婚相手）にローマまで喧嘩を売りにきたニコレッタ。
母親の再婚相手はローマでリストランテを経営していたのだが、そこの従業員が全て老眼鏡をかけた紳士たちだった。（母親の趣味で(^▽^;)）
何となく毎日そのリストランテに通ううちに、従業員の一人、クラウディオのことが気になってくるのだが。。。

母親との確執と、初老の紳士との淡い恋のようなもの。

言ってみればそれだけのお話なのだけど、最初はギスギスしていた人間関係が、だんだんとほぐれていく様子がとても心地良い。ものすごく苦～～いエスプレッソに角砂糖を入れて、だんだんと香り豊かで濃厚な甘い飲み物に変化してく様な感じだ。

でも正直、最後がこんなにあったかいお話になるとは思っていなかった。
儲けものだったなあ。(*´∇｀*)

読後、美味しいイタリアンと美味しいワインが欲しくなった。