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カテゴリ:今日読んだ漫画
土星マンションを読んだ。 赤道上空35,000mの高さに、地球をぐるりと取り巻く巨大建造物。人類は地上に住むことを許されず、その土星の輪っかのような建造物の中に住んでいる。それが土星マンション。 主人公のミツは中学を卒業すると土星マンションの窓を拭く仕事についた。彼の父親も同じ仕事をしていたが、ある日仕事中に命綱が切れて地球に落ちて亡くなってしまった。ミツは何となく父に置いていかれた様な気がしていた。 読んでまず思ったことは、「どうやって作ったのか」だった。つまり成層圏でこのドーナツをどうやって繋ぎ合わせたのか。 考え始めると先へ進めない。(笑)
ミツは、見た目は可愛いが、案外鬱屈したものを抱えている少年だ。父親に対しても死なれたというよりは、(何でそう思うのかイマイチ良く判らないんだけれど)自分を置いて地球に行ってしまったという思いを持っているし、親代わりのように面倒を見てくれた隣の影山さんにも、距離を置いている。何となく、ミツの周りには薄い壁のようなものがあって、彼はそれ越しに人と付き合っているような、何というか、希薄さを感じる。 面白いのはミツの師匠の仁さん。シャイで頑固で自然体。この、まるで江戸っ子のおじさんと仕事をし、プライベートでも知り合う中で、ミツはだんだんと変わっていくのだろう。 それから真という少年(?)にはびっくりした。何故か彼は唐突にミツに対して憎しみをぶつけてきたからだ。話の流れから、彼の気持ちもわからなくはないのだけど、なんでそこまでミツを憎んでいるのか、少し説明不足なんじゃないだろうか。どう考えても逆恨みだし。でも、真には少し期待している。ミツの他人に対する壁を切り裂いて、直接関係を結べる人間なんじゃないかと思うから。 それにしても、何となく感情移入できにくいのは、(茶まターさんも書いていたけれど)ミツの父親の死に至るエピソードがキチンと描かれていないからだと思う。これからだんだんと語られていくのかもしれないけれど、今判らないのが少しもどかしい。 う~ん。何だか褒めていない感じがするけれど(爆)、個々のエピソードは面白かった。今は何となくモワンとした印象なのだけど、この先少しずつ、薄皮を剥ぐように、いろんなことがつまびらかになっていくといいなと思っている。 それからこの作品には、ミツの成長の他にもう一つのテーマがある。 「仕事って何だ」 ということだ。仁さんがラスト近くに言っている。 「俺は結局自分のためにやるんだよ。 誰もがぶつかる「何のために仕事してるんだろう」という壁。 ミツはこの仕事を通して、父に対してどういう気持ちを抱くことになるのか、
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