久しぶりに漫画の話題。ここ1ヶ月あまりの間に出た新刊です。
随分前に読んだのもあるんですが、やっとアップすることが出来ました。
少年少女漂流記 古屋兎丸×乙一著
このムダに派手な装丁、無条件に惹かれます。
このゴージャスさとは裏腹に、描かれた内容はとても身近な中学生達の物語。まさに漂流する思春期の少年少女の青くて、痛くて、恥ずかしくて、でも愛おしい思いが綴られています。
兎丸さんはこういう中途半端な年代の痛々しさを描かせると上手い人ですよね。そのあたり、あまりに自然に兎丸的ワールドだったので、乙一さんが書いたのはどこだったのか、よく分からなかったんですよね。つまり、二人の世界観がとても似ているってことなんでしょうね。(実際あとがきの対談でもそんな話をされていた。)
この8編の短編連作は、全く別の主人公の話ですが、最終話であるつながりを持ちます。何だか今まで頼りなかった彼らが、そこでの体験で、きっと大丈夫だと思えるようになるラスト。とても清清しくて、ある意味意外な結末でした。
ちょっと胸が熱くなる話あり、もうお馬鹿としか言いようの無いものあり。自称中二病の方にはお勧めいたします。
彼女を守る51の方法【3】 古屋兎丸著
前回、突然の美少女出現に「三角関係か?青春臭が匂ってきた~!!」なんて申しましたが、現実はそんなに甘いものではなかったようです。
ジン君に訪れたPTSD症状も、リカちゃんの身に起こった不幸も、極限状態の中では、覚悟すべき事態です。いくら極限状態とは言え、そこまで理性をなくしてしまってどうするのかと憤りを感じてしまいますが、やはり女の側もこんなこともありうるという想定の下に行動しなければいけないのですよね。こんなTIPSが役に立つ日が来ないことを祈りたいものです。しかし、巻を重ねるにつれ物語の面白さや緊張感が増してきました。兎丸さん、渾身の作品です。先が楽しみです。
拝み屋横丁顛末記【8】 宮本福助著
今回は大好きな三爺大活躍の巻でした。やっぱ、三爺が元気じゃないと拝み屋横丁じゃありませんからね。神主の爺さん、やけにカッコよかったです。コスプレは、発禁扱いになりそうな代物(嘘)でしたが。。。
あと、実は徳光と文世さんが入れ替わる話がお気に入りです。
正太郎君の天然っぷりも楽しかったし、8巻は充実してて面白かったですね~。
満足致しました。
エマ【8】 森薫著
おっと、意外に早くコミックが出ましたね。
8巻はエマを取り巻く人々が織り成す、サイドストーリー短編集です。言ってみれば、赤毛のアンにおける「アンの友達」みたいなものです。(余計わからん?)
ところで、ケリーさんって、若い頃は実はツンデレだったんですね。クールさにしびれました。
それから、エレノアちゃんに、新しい恋が芽生えそうなのもとても嬉しかったです。
この調子で、エマのその後もクローズアップして欲しいですねえ。
蟲師【8】漆原友紀著
読んでから1ヶ月半くらい経ってしまいました。
なんだか、語り部として板についてきたという感じがします。卒が無いんです。
どの話も良かったですが、ちょっとミステリっぽい「泥の草」が私は面白かったですね。妙な後味の悪さが今までに無い感じです。
妖魅変成夜話【4】 岡野玲子著
もう、あきまへんわ。カルトっぽすぎてついていけない。
将軍、織姫になっちゃったよ。もう少し素人にも分かるように、噛み砕いて説明してくれないと凡人には意味不明です。なんか、自分のアホさを露呈しているような気もしますが、やはり、自分の想いはちゃんとした言葉にしないと人には理解されないと思うのです。専門分野の人には良く分かるお話なのかもしれないけど、普通一般の人には理解不能です。
ただ、絵はもう芸術の域に踏み込まれたなあという気がします。まさに天上の世界という気がして、美しいです。
街角花だより こうの史代著
表紙裏と中表紙が、いかにもっていう花屋さんの包装紙的に作られているんです。凝っています。とっても可愛いのですよ(内容もお勧めですが)
こうの史代の漫画の変遷をこれ一冊で比べてみることができるという美味しい本でもあります。とにかく、のんびりしたい人には超お勧めです。
あ~終わった。長かった。。。