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2008.01.07
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カテゴリ:今日読んだ漫画

え~、暮れから正月にかけて、いろんな仕事からの精神的逃避というものも手伝って、実にたくさんの漫画を読みました。(笑)その中で一番私のハートを鷲づかみにした1冊をご紹介したいと思います。

 

  

イムリ【1】【2】 三宅乱丈 著

久しぶりに、書店で見た瞬間即買いしてしまった。
表紙絵の世界感溢れる丹念な書き込みと、印象的な表情、何よりSF&ファンタジーの匂いがぷんぷん漂っているのだ。
絶対(私的)ヒットの予感と期待感のドキドキを感じながら、一気に1・2巻を読んだ。

ふっふっふ。。。思ったとおりだった。

「遥かなる太古-。長く激しい戦争によって、その星は凍結した。

星の名はルーン。凍らせたのは「カーマ」の民。
戦後、カーマの民は、ルーンの隣星であるマージへ移り住み、「賢者」と呼ばれる最高権力者を頂点とし、奴隷民「イコル」を最下層とする階級社会を形成。四千年もの歴史を積み重ねていた。

ようやくルーンの氷が溶け始めた今、カーマの民は故郷であるルーンへの帰還を始める。かつてのカーマの敵であり、そしてその事実を忘却した「イムリ」の民の住む、すべての母なる星ルーンへと-。」(1巻カバーより抜粋)

「カーマ」「イコル」「イムリ」という三つの種族と、「ルーン」「マージ」という二つの惑星。すべてを支配しようとするカーマと、精神を操作され奴隷として生きるイコル。そして土着の民として無邪気に生きるイムリ。カーマの賢者の支配という威圧的に保たれてきたバランスが、ある事件を元にほころび始める。

一部の特権階級の人間に都合の良いように隠蔽された歴史、複雑な階級制度。多分この社会の全てが瓦解するのだろうと予感させる欺瞞に満ちた差別主義者の集団の中において、エリートの呪師候補生として、主人公デュルクは姿を現す。
超ボンボンで、呪師としての能力もずば抜けて高いエリートの癖に、何となく異端の匂いのする彼は、この世界を揺るがすのにどんな役割を担うのだろうか。

一読しただけでは、いろんな言葉や仕組みを理解するだけで目が回る。しかし、頭の中で物語を反芻すると、だんだん世界が見えてくる。いろんな疑問が頭をもたげ、その世界に遊び、想像が羽ばたき始める。

私にとって、これが漫画を読む上での一番の楽しみなのかもしれない。久しぶりにそんな余地の有る漫画に出会えた気がする。
萩尾望都の「11人いる(の続編)」「マージナル」や、漫画版「風の谷のナウシカ」のような世界観を感じる漫画が好きな人にはお勧めだ。絵柄は五十嵐大介や、古いところでは佐藤史生、鳥図明児なんかも髣髴とさせる。

 

さて、この三宅乱丈という人、私と同年の女性だそうだ。それで、何となく懐かしい(というかしっくりくる)感じがするのだろうか。

代表作は


「ぶっせん」
貧乏寺「仏物専寺」が、起死回生の経営立て直し策として始めた仏教専門学校「ぶっせん」を舞台に繰り広げられるギャグストーリー。

 


「大漁!まちこ船」
職業は「まぐろの餌」(゜ロ゜;)ふぉ~~。
少女まちこは鼻毛ボーボーの漁師中村さんの釣竿でダイブ。今日も大物を釣り上げる。。。

 


「ペット」
他人の意識の中に侵入し、その記憶を操作できる超能力者の物語。
ちょっとイムリにも通じる気がする。

 


「秘密の新撰組」
あ、これって誰か2007ランキングに入れてなかったっけ?
女性ホルモン薬を飲んで女の子っぽくなっちゃう新撰組????

 

ぶっせんは前からちょっと気になっていたのだが、他の作品も紹介文を読んだだけで、気になってしょうがない。シリアスとギャグの振れ幅が凄いのではないかい?特にまちこ!!シュール杉~~~!!読みたい~~~!!

今年は、三宅乱丈を要チェックなのではないかと個人的に思う今日この頃。。。

 






 






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最終更新日  2008.01.08 00:49:18
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