298451 ランダム
 ホーム | 日記 | プロフィール 【フォローする】 【ログイン】

【毎日開催】
15記事にいいね!で1ポイント
10秒滞在
いいね! --/--
おめでとうございます!
ミッションを達成しました。
※「ポイントを獲得する」ボタンを押すと広告が表示されます。
x

PR

カレンダー

日記/記事の投稿

カテゴリ

コメント新着

てんてん@ Re:久しぶりなんてもんじゃないんだけど。(05/08) 待ってねえよしねよブス
http://buycialisky.com/@ Re:ポックルベリィの冒険―美央様をかもす(12/08) cialis super active reviewsdrug get onl…
http://buycialisky.com/@ Re:群青学舎【1】【2】 入江亜季著(08/12) generic cialis for ordercialis dosage 1…
http://buycialisky.com/@ Re:好きっ・・・じゃないんだから><//(09/20) does medicare cover viagra or cialissaf…
http://buycialisky.com/@ Re:Beast of East【3】 山田章博 著(04/19) cialis online bestellen osterreichciali…

キーワードサーチ

▼キーワード検索

バックナンバー

2024.09
2024.08
2024.07
2024.06
2024.05

フリーページ

2008.11.12
XML
カテゴリ:今日読んだ本

天の光はすべて星  フレドリック・ブラウン著

 

フレドリック・ブラウンの復刊である。
私は以前に短編集を2冊ほどと、「火星人ゴーホーム」を読んでいるのだが、シニカルでブラックユーモア溢れる、どちらかというとコメディタッチの作風という印象を抱いていた。
そういったフレドリック・ブラウンに対する懐かしさと同時に、このロマンティックなタイトルと印象的な表紙イラストに意外性を感じて、思わず取り上げてしまったのだった。

1997年に始まり2001年で幕を閉じるこの物語は、実は1957年に書かれた作品である。アポロ11号の月面着陸の10年以上も前のこの時代に、こんなにリアリティと情熱を持って宇宙への憧れを描かれた事には驚きを禁じえない。
テクノロジー的な事については多分にアナクロだろう。(表紙のレトロフューチャーなロケットのデザインがしっくり来る世界) 男女関係のあり方もかなり古風だ。しかし、宇宙にとり憑かれた人が何としてもそこへたどり着きたいと熱望する気持ちは、現在も、ブラウンが50年前に考えたこととなんら変わりは無い。人間が宇宙へ行くということがリアリティを帯びてきた現在の方が、むしろ10年前20年前よりも主人公マックスの星への想いに近いのではないだろうか。

マックスは星にとり憑かれた人たちのこと(自分や仲間のこと)を星くずと呼んだ。
例えば「プラネテス」(奇しくも木星往還船の話しだった!)のハチマキやロックスミス、「サンシャイン2057」のキャパや「ふたつのスピカ」のライオンさん、現実世界で言うなら、毛利さんや向井さん、若田さん、野口さんもみんな「星くず」(宇宙に憑かれた者)なのだろう。

彼ら星くずは例え自分がそこで斃れても、あるいは技術的にそこまでしか足跡を残せなかったとしても、それを踏み台にして次の星くずが一歩前に踏み出すことを知っている。

私は、そんな宇宙に関する話や物語を見たり読んだりする度に、何となく生物の進化の過程を見ているような気持ちになる。宇宙へ踏み出そうとする人たちというのは、もしかして、人間の進化の可能性の最前線にいるんじゃなかろうかと思うのだ。

このマックスも、そんな星くずの一人として星へ向かう最後のチャンスに人生をかける。そのなりふり構わなさは、多少ダーティだし、何よりその性急さにはかなりの違和感を感じる。でも読んでいくうちに、何故マックスが生き急ぐのか、ひしひしと胸に迫ってくる。彼は自分が完全に老いるまでの残り時間と、プロジェクトが動き始めるまでの時間を計算していたのだ。ハイエナのように喰いつき、先へ先へ走ろうとするマックス。最初は引いていたけれど、いつの間にか心から応援していた。

そして最後は涙で文字がかすんでしまうほど泣いていた。マックスと星くずたちの友情に、マサイの賢人エムバッシに、愛するエレンに。そして、次なる幼き星くずに。
読み終わってもう一度表紙を眺めたら、また胸がいっぱいになってしまった。

 

 

こんな曲が聞きたくなった。

 






お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう

最終更新日  2008.11.12 23:39:18
コメント(10) | コメントを書く



© Rakuten Group, Inc.
X