|
カテゴリ:今日読んだ漫画
詩のように美しい物語だった。 深い山、滴る緑、地の底を流れる光の川。 蟲――思考を持つというわけでもなく、ただ本能に従って在る様に在る、此処と異界の狭間に生きるモノ。。。想像の産物と言ってしまえば、そうなのだけれど、それらを通して世界を見ることで、私たちの失った感覚―自然に対する恐れや、敬い尊ぶ心、美しさに感動する気持ちといったもの―がありありと浮き彫りにされる。不思議に心揺さぶられるのである。 10巻は「光の緒」「常の樹」「香る闇」「鈴の雫」の4編から成る。 「光の緒」 「常の樹」 「香る闇」 「鈴の雫」 ――ならばヒトは山から外れていくことになる この言葉が重く響く。 そんな風に懐疑的にならざるを得ない時代。
物語はここで終わってしまうけれど、ギンコの旅はこれからも続くらしいことが、私は嬉しい。 美しい物語を、美しい余韻を持って幕を降ろされたことに心から拍手を贈りたい。
お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
[今日読んだ漫画] カテゴリの最新記事
|