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カテゴリ:今日読んだ本
天と地の守り人【1】~【3】 上橋菜穂子 著
上橋菜穂子という人の文章は不思議だ。 無頼の女用心棒が気まぐれで川に落ちた少年を助けたところから始まるこのシリーズは、この「天と地の守り人」3部作をもって壮大な幕を閉じる。
前作「蒼路の旅人」で、南の巨大な帝国タルシュからの侵略に、開戦か降伏しか無いと思われた中、希望の道を探して海に飛び込んだチャグム。隣国ロタとの同盟を結ぼうとするが、ロタ南部の大領主たちは既にタルシュに買収されていた。 全てが絶望的と思えたのに、細い細い希望の糸をつかむ事で、次々と物事が変転し始める。そんなゾクゾクするような面白さを感じる物語だった。 「精霊」の頃は、か弱く何も知らない子どもだったチャグムが、バルサに手を引かれて外の世界を見、またその後広い世界から自分の国を見ることで、絶望的な現実を知る。そこで苦悩し、運命に抗いながら歩き続けるチャグム。大きな試練を潜り抜けるたびに見違えるほど大きく成長する姿には思わず胸が熱くなってしまう。 また、「天と地…」では長らく未解決であった父と息子の関係も描かれた。 それというのも、(ここから数行は本を読んでから読まれることを推奨します。)
さて。。。 読後の余韻に浸りながら、物語が完結した満足感と一抹の寂しさをじんわりと感じている。
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