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2009.06.09
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カテゴリ:今日読んだ漫画

    

ぶっせん【上】【中】【下】 三宅乱丈著


講談山という山に、金々腹寺と仏々専寺という二つの寺が隣り合って建っていた。
地元民のほとんどを信者と為し、商売繁盛の金々腹寺はその勢いで隣の貧乏寺、仏々専寺を追い出して講談山を金々腹寺の本山としてしまおうという野望を抱いていた。
一方、ろくろく檀家も無く、和尚が入院中でジリ貧の仏々専寺では、唯一の弟子雲信が、寺を仏教専門学校と称し、授業料を取った上、授業という名の修行を行い、生徒をなし崩しに修行僧にしてやろうという腹黒い計画を立てていた。
黙っていてもつぶれると思っていた仏々専寺の思いもよらない行動に金々腹寺の阿闍梨は修行僧の正助(↑【上】表紙のつぶらな瞳のたらこ唇)をスパイとして差し向ける。。。

 

イムリの三宅乱丈さんのデビュー作。

いや~、面白かった。デビュー作でこんな凄いものを描いてしまうなんて、やはりこの人は只者ではない。

まず、登場人物の多さに驚き、その個性が一人ひとり際立っていて絶妙な呼吸を生み出していることに驚く。とにかく一人一芸じゃないけど、一人に一つは変な特徴ないしは特技があってそれをいちいちいぢり倒される。そうかと思えば、目立たないことで存在感を主張するというややこしいのもいたりして、ホントにビックリするほど見事なキャラ設定なのだ。

しかし、一番見事だったのはやはり、仏々専寺の和尚だった。
それなりに一生懸命な生徒や、何だかんだ言って真面目な雲信なので、何事も無ければ結構普通に学校をやっていけたはずなのに、和尚自ら無茶苦茶に引っ掻き回すのである。もう、ハンパ無く。。。生徒から集めた授業料は盗む。寺の※※※は売り渡す。坊主のクセに※※※※は持っている。はっきり言って、諸悪の根源はこの和尚である。

しかしながら、この和尚が何の考えもなく雲信の妨害をしていたのかと言えばそうではない。。。ようにみえるがそうなのか?深謀遠慮があるのかないのかもよく解らない狸っぷりなのであるが、とにかく、ラストであの雲信を赤面させる和尚の説得力はすごい。ここに来て雲信にその気づきを成さしめるとは。。。この漫画がただのギャグ漫画ではないことを思い知らされる瞬間だった。

この漫画を読んでから、密教と臨済宗について調べてみたが、なかなかそれぞれの宗派についてもきっちり特徴を掴んでいるらしい。調べてからもう一度和尚の話なり金々腹寺のスタンスなりを読み直すと、何だかなるほどなあと思ってしまうのだ。これは仏教をかじったことのある人には2倍面白いのではないだろうか。(雲信とていほう(漢字忘れた)の喧嘩なんてまさに宗派をかけたバトルで凄く面白いのだが、何故か邪馬台国九州説と近畿説に至るのだけど、何でそうなるのか誰か説明してくれないだろうか。(笑))

1話1話がとても短いスパンでありながら、毎回きっちりオチをつける実力。
ありえないところに恋が芽生え、どんどん話は思わぬ方向へと転がり、一癖ある新キャラがゾクゾク追加されて、更に話は複雑に入り乱れていく。
大笑いしながらも、恋の切なさに胸がきゅんとしたり、その直後に思いっきり落とされたり。そうして物語は学校モノの宿命、卒業へと収斂されていく。かりそめの縁であるが故に、その一瞬一瞬が本当に楽しく、大事な時間だったことに気づくのだ。

最後は、雲信らしい、また狸な和尚らしい「本来無一物」な潔い終幕。何とも楽しく爽やかなラストだった。

 

ところで、「イムリ」「ぶっせん」と読んで思ったのだが、この人絶対緊縛趣味があるなあと。。。そういう意味でも(え 次なる三宅乱丈に期待したい。(笑)

 

 






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最終更新日  2009.06.10 23:38:04
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