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カテゴリ:今日読んだ漫画
ぶっせん【上】【中】【下】 三宅乱丈著
イムリの三宅乱丈さんのデビュー作。 いや~、面白かった。デビュー作でこんな凄いものを描いてしまうなんて、やはりこの人は只者ではない。 まず、登場人物の多さに驚き、その個性が一人ひとり際立っていて絶妙な呼吸を生み出していることに驚く。とにかく一人一芸じゃないけど、一人に一つは変な特徴ないしは特技があってそれをいちいちいぢり倒される。そうかと思えば、目立たないことで存在感を主張するというややこしいのもいたりして、ホントにビックリするほど見事なキャラ設定なのだ。 しかし、一番見事だったのはやはり、仏々専寺の和尚だった。 しかしながら、この和尚が何の考えもなく雲信の妨害をしていたのかと言えばそうではない。。。ようにみえるがそうなのか?深謀遠慮があるのかないのかもよく解らない狸っぷりなのであるが、とにかく、ラストであの雲信を赤面させる和尚の説得力はすごい。ここに来て雲信にその気づきを成さしめるとは。。。この漫画がただのギャグ漫画ではないことを思い知らされる瞬間だった。 この漫画を読んでから、密教と臨済宗について調べてみたが、なかなかそれぞれの宗派についてもきっちり特徴を掴んでいるらしい。調べてからもう一度和尚の話なり金々腹寺のスタンスなりを読み直すと、何だかなるほどなあと思ってしまうのだ。これは仏教をかじったことのある人には2倍面白いのではないだろうか。(雲信とていほう(漢字忘れた)の喧嘩なんてまさに宗派をかけたバトルで凄く面白いのだが、何故か邪馬台国九州説と近畿説に至るのだけど、何でそうなるのか誰か説明してくれないだろうか。(笑)) 1話1話がとても短いスパンでありながら、毎回きっちりオチをつける実力。 最後は、雲信らしい、また狸な和尚らしい「本来無一物」な潔い終幕。何とも楽しく爽やかなラストだった。
ところで、「イムリ」「ぶっせん」と読んで思ったのだが、この人絶対緊縛趣味があるなあと。。。そういう意味でも(え 次なる三宅乱丈に期待したい。(笑)
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