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2009.06.27
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カテゴリ:今日読んだ漫画


阿房列車(1号) 内田百間/一條裕子 著

 

なんにも用事がないけれど、汽車に乗って大阪に行って来ようと思う。

内田百間の随筆、「阿房列車」を一條裕子さんがコミカライズした作品。
私は不勉強なもので百間先生の随筆は「百鬼園随筆」しか知らない。そんなものぐさな読者のために、本書の巻末には「特別阿房列車」の冒頭原文が掲載されている。(何だかかゆいところに手が届く作品なのだ。)早速漫画と見比べてみた。

そのまんまである。

普通原作物をコミカライズする時、やはりどうしても多少の誇張、漫画家の解釈、あるいはよりダイナミックなオリジナル表現が入るものだし、むしろそういった漫画的表現を加えることによって、原作の新たな魅力を引き出すのがコミカライズの意義といっていいと思う。

しかし、この作品に限ってはそれがあてはまらないのだ。
一言一句原作を違えず、原作イメージから一歩も離れない。それなのにその面白さは損なわれず、むしろビジュアルが加わった分原作よりも百間先生が生き生きと動いて見えるのである。(これを読んだ後、百鬼園随筆を読んだら、完全にイメージが漫画の百間先生になってて面白かった。)

 

しかししかしである。
そのまんまだなあと思って読んでいると、だんだん雰囲気が変わってくることに気づかされる。 

何も足さず、何も引かない一條さんのストイックな線が描き出す世界は、とても静謐で、一切の自己主張が無い。かの様に見える。
ところが、その細くて緻密な線が重なり交わり集積されると、何故かその絵は「一條裕子」でしかありえないものになるのだ。(なんだかアンドリュー・ワイエスを思い出した。)

時折はっとするほど美しい、在りし日の日本の情景が現れる。夜の闇に黒々と横たわる列車であったり、驟雨にけぶる田舎の線路であったり。しばしページをめくるのを忘れるくらい見入ってしまった。

軽妙な百間先生の語りと、一條さんの詩情溢れる情景描写のコラボレーション。。。
原作から一歩も離れないと言う言葉を撤回しよう。

内田百間を忠実に写したものでありながら、同時にこれは一條裕子の作品なのである。
見事なコミカライズであった。

 

ところで、この作品でIKKIのテツ漫画三部作の完成なんだそうである。
私はテツでもないのに三部作のうち二作も所有しているゾ。。。

コンプリートしないように気をつけよう。。。(笑)


本好きへの100の質問 【81~100】はこちら。

 

 






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最終更新日  2009.06.28 00:38:57
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