今の資本主義はもう、やめてくれ “森の国”の思想が次の経済システムを作る(日経ビジネス)
日経ビジネスONLINE今の資本主義はもう、やめてくれ“森の国”の思想が次の経済システムを作る ―― つまり、今の市場原理主義を伴う資本主義は一神教であるキリスト教から生まれた。自然と人間の関わりを聖書でうたっていないキリスト教は、自然に対する畏敬の念がない。キリスト教社会で生まれた今の経済理論は環境に想いを巡らせる発想がそもそもない。だからこそ、地球環境問題が生じた、と。 ・ ・ ―― なぜ一神教は砂漠で誕生したのでしょうか。 安田 森の中に暮らしていると、目の前の草花、森の中でうごめく動植物などを調べるだけでも日が暮れていく。八百万の神を信じる多神教は森の文明にこそ生まれるものだと考えています。ところが、砂漠には何もない。僕はシリア砂漠で1カ月、暮らしたことがあるんだけど、砂漠というのは音が全くない。 確かに、砂嵐の時はサーッと砂が飛ぶ音がするけれども、夜になって砂嵐がやむと、物音1つしないのね。静寂の恐怖。だから、初めの2~3日は「星空もきれいだし、いいところだな」なんて思うけど、そのうち星が「ガシャ」「ガシャ」と音を出しているんじゃないか、と思うようになる。これにはビックリしたね。 ―― 星が喋っているような気分になるんですか。 安田 そう。やはり人間は自分1人、全く命のない世界にいると、命を求めるんだと思う。だから、夜空の星を見ていても、音を立てているような気になる。星空の彼方に天国の世界があると、そういうふうに妄想してしまう。そうして生まれたのが一神教だと思うんですよ。 ―― 「神の声を聞いた」と。 安田 そうそう。でも、それは妄想だよね。本当に神や天国を見た人はいないのだからね。ローマに話を戻すと、ローマ文明が崩壊したのは森を破壊したため。さらに、多神教を放棄して一神教になったことで、皆の価値観が収斂してほかの存続が許されなかったということも大きな影響を与えた。 ・ ・ ・い~ね~~。