カテゴリ:仏像の話
神奈川県立金沢文庫 12月4日(日)まで 「特別展 興正菩薩叡尊鎌倉下向七五○年記念I 愛染明王 愛と怒りのほとけ」 HPこちら 愛染明王オンリーの展覧会。 金沢文庫ったらこれまたマニアックな、万人受けしなそうな企画でいいですね~♪ 行ってみたら意外にも、他に観覧者がいらしてました。(おい) 偶然ボランティアの方のギャラリートークがあり、説明を聞きながら拝見しました。 愛染明王ばかり、画像と仏像が並びます。画像のが多いでしょうか。 正直言って、画像はどれも似たような感じ・・・(汗) 並べて見れば違うけど、浅学な自分には、どれがどこのだとか、ぱっと見て当てられるほどの突出した個性は見受けられませんでした。 全部愛染明王なんだも~ん!? かの有名な西大寺の国宝・愛染明王!・・・の、お前立が、いらしていました。 普通は矢を持っている愛染様ですが、こちらは持っていません。 というのは、叡尊が元寇撃退の祈祷をした折に、愛染様が元の船団目がけて矢を放ち、嵐を起こして見事退散させたからだそうで、つまり使っちゃったのです。 とりわけこれが良いとか、これが気に入ったとかいう作品は目につかなかったですが、説明つきだったおかげで、愛染明王の特徴や役割についていっぱい知ることができました。 このことを教えてもらっただけでも行ったかいがありました! 例えば・・・ 愛染様の六本ある手のうち、左第三手(左手一番上)に何を持っているかで、願主の願いがわかるのだそうです。 たいがいはグーの手(金剛印)で何も持っていないけれど、 日輪(太陽。真っ赤な玉)を持っていたら、災いをよける修法をするため。 宝珠だったら、利益が増えますように。 一鈷杵だったら、嫌なあの人に災いが降りかかるように!? 八咫烏だったら、天皇に男児が生まれますように。 などなど。 弓と矢を持つ密教の仏・愛染明王は、特定の相手を狙い撃ちするために作られたようです。 世界人類が平和でありますように・・・みたいな穏やかなお願いじゃなくて、政敵を失墜させてちょうだい!とか、元の軍艦を沈めてちょうだい!という差し迫った!?お願い。 そんなお願いが少なからずあったのか、貴族や朝廷や幕府の間で、愛染明王の密教修法が行われ、図像もたくさん生まれたのでした。 展示室を出て、お寺の池の周りを散歩していたら、目の前の木にカワセミが止まりました。 池にいるのは知ってたけど、こんな近くに来たのは初めて! すると、望遠鏡みたいなレンズのカメラを三脚にセットしてじっと待っていたおじさまが、そばまで来て熱心に撮影開始。 やがてカワセミは池の反対側へ飛んで行き、おじさまも後を追って去っていきました。 一日、ああやっているのかしら!? 平和ですねぇ・・・。 私の日々の生活に愛染明王の出番はなさそうです!? お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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