「iTunesのエンコーダ性能を検証する」
新年にあたり、なにごとも最初が肝心!ということで、今回は、CDをiTunesに取り込む際にiPodユーザが一度は悩む「インポート設定」について、ちょっぴりアカデミックに綴りたいと思います。題して、お正月特別企画「iTunesのエンコーダ性能を検証する」スタートです「音楽データの容量が小さければ、音質もソコソコ」というのが、圧縮オーディオの常識でしたが、最近ではロスレス圧縮技術などが登場して、以前ほど音質劣化は無くなったといわれています。それで、実際のところどうなのよ。ということで、私は自分の目と耳で確かめないと気が済まないタチ。第一日目の今日は可逆圧縮(アップルロスレス)、第二日目は非可逆圧縮(AACと MP3)と2日間にわたって、自分なりの解析方法で検証してみることにしました。皆さんには、自分の視聴環境にあわせた「データ容量(収録曲数)とビットレート(音質)のバランスがとれた設定」を見つけるのに、この結果を参考にしていただければと思います。----------------------------------------------------------------------その前に、圧縮音楽を語るうえでコレだけは知っておいたほうがいい常識的な事項について書きます。(1)人間の耳に聴こえる周波数範囲 20Hz (低音)~ 20,000Hz (高音)(2)聴こえない周波数 低い方20Hz以下(超低周波)、高い方20,000Hz以上(超音波)(3)サンプリングレート 設定した値の1/2の周波数帯域を記録できます CDのサンプリングレートは44.1kHzなので、CDには22,000Hzの超音波まで記録されています(4)サンプリングサイズ 音の大きさを記録するときの目盛りの細かさで16Bitが一般的です(5)チャンネル ステレオの場合 2(6)ビットレート 1 秒あたりに処理できるデータ量を示す値 この値が大きいほど自然な音に近い再生が可能となります。 CD(非圧縮データ)のビットレート値は 44100 × 16 × 2 = 1411 (kbps) となります。 iTunesの規定値は「128kbps(高音質)」になっていますが、 つまりこれは元データを10分の1以上圧縮していることになります。----------------------------------------------------------------------以上ふまえたうえで、それでは検証結果にまいります。データは、Michael Jackson /Billie Jean(4’53) 44.1KHz 16Bit Stereo曲開始から(1’00)時点の波形をサンプリングしています(波形測定にはスペアナソフトWaveSpectraを使用)WAVE形式でインポート (ビットレート値1411kbps データ量49.5Mバイト)アップルロスレスでインポート (ビットレート値1022kbps データ量35.9Mバイト)結果はご覧のとおり、可逆圧縮(ロスレス)というだけあって、全く音質劣化はありません。まあ、当然といえば当然です。音質にこだわる人の理想としてはロスレスということになりますが、ただしデータ容量は実用的とはいえません。ということで、明日はいよいよ実用的なインポート形式、非可逆圧縮のAAC、MP3について検証してみたいと思います。