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夕暮れ時の、園庭で。
たくさんの友達の中を縫うように、 君が、うれしそうに・・・・駆け寄ってきた。 「お母さん!見ててや!ユーイチ運艇1回だけ、できるようになったしっ!」 「・・・・・・!?」 そういったかと思うと・・・・・ 運艇まで、一目散に・・・・駆けていった。 運艇に、手を掛けた君の視線は ・・・・・ちょっと誇らしげに、私を確認する。 (見てるしな~!) 心の中で、大きく君に応える。 運艇から片手を離した瞬間。 「それっ!」 輝線が、一気に解き放たれる。 ・・・息を呑む。 見つめる。 ・・・・・意外にも(失礼!)リズミカルに♪ 両足は、宙を舞い。 泳ぐように、両手は交互に前に進む。 後姿は、 「見ててや!見ててや!」 そう、いわんばかり。 一気に、運艇を渡り終えて。 誇りに満ちた笑顔で、軽やかに こっちへ向かう君。 人目も、はばからず・・・ 「すご~~~い!スゴイ!スゴ~イ!」 次男と一緒に、思わず!拍手喝さい! 胸の鼓動は、高鳴って・・・・・・。 不意に・・・・涙が、こみ上げる。 視界が・・・・全部、かすんで見えない。 いつの日だったでしょう。 木枯らし舞う。 園庭の一角で。 賑やかな、運艇の周りの群れを避ける・・・・君の視線を見つけたとき。 「お母さん、持っていてあげるから・・・・やってみてみっ!!」 (ユーイチは、できひん。)・・・・君は、無愛想にそういうだけ。 臆病で。 思い切りがなくて。 慎重で。 すぐ様子を伺う。 やってもいないのに・・・・。 「こうやってな。片方づつ・・・・手出すんやで!」 君の身体を半ば、無理やり持ち上げてみては、一瞬でおしまい。(ゲッ!) ぶらさがるのに、精一杯。 君だって、ホントは・・・・誰よりもできるように、なりたかったんだね。 ずっと、ずっと。 君が、”自分の意思”で運艇に、手を伸ばし・・・・ 挑戦してきた気持ち。 できたことへの達成感! その一歩が・・・・・ たまらなくうれしかったよ。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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