テーマ:京都。(6113)
カテゴリ:だから
嵯峨野は日本人のふるさとである。その歴史は遠く桓武天皇が遊猟を楽しまれた千百余年の昔に遡る。
王侯貴族の山荘が営まれ、千代の古道を通って、大宮人は月を眺め、虫の音を聞き、若菜を摘み、歌合せに打ち興じた。 その後には大伽藍が甍をつらねて宗教文化が花やかに咲き乱れた。 東はならびが丘、西は小倉山、南は大い川、北は大覚寺の後山を占める嵯峨野で、いまなお昔の風情を残しているのは僅かに北嵯峨から奥嵯峨にかけてである。 嵯峨野には武蔵野の野趣はなくても、竹林の優しさがある。時雨にぬれて祇王の古寺に詣でては、女の哀しみになみだをそそぎ、大沢池に佇めば南朝悲歌を口ずさむがいい。 疲れた人々の魂を古い歴史がいたわってくれよう。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
Apr 18, 2006 07:48:35 AM
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