きみのすきなオレンジの袋を抱えて
夏の坂を歩いていく
今日はきみにあえる日
いくつも指折り数えて
キングスクロス
幸運と悲運の交差点
ふたり出会い
あなたとわたしが
わたしたちになった
決して後悔しない
そういって
決して後悔させない
そうわからせて
なつかしい笑顔
ぼくはきみの紅潮した頬を
両手で包み込んで
そのくちびるにキスをして
なつかしい木綿のはだざわり
さあ、ぎゅっとだきしめていて
なつかしいひろい背中
もっと、ぎゅっと、抱いて
みちばたにおちたオレンジの袋から
坂道いっぱいにオレンジ
あざやかに、ころころと、ころがれ
あざやかに、ころころと、ひろがれ