カテゴリ:だから
その純粋で、無垢な、控えめなこころの、瞳の動きをみていた、それは饒舌に、言葉以上のなにかを見ていた。向かい合ってすわっていればなにがわかるというのか。ありふれた日曜の夜に、雨上がりの交差点を眺めて、わけもなく黙り込んでしまった、あなたの真摯にいきていない風情の気取りが、自身に向けられていく。
どうでもいいことだと思っていた。その感受性は鈍く、対話する意味を見失って、中空をみても、シャンデリアの曇りひとつないまばゆさに、まばたきをしてこういった。 「きみは、暇だから恋をするの?」 「あなたと同じよ」 慎重に率直な質問は、無意味な禅問答になる。予想しうる答えの、陳腐な気取りが、その女の若さなのか、年齢相応な機転がきかない状況で、あとは拝め奉ったものを、睥睨する視線で、そのアイラインの鈍いスパンコールの、きらめくことに、私は動揺している。 所詮、男と女は、そういったものなのだろうか。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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