カテゴリ:だから
光沢のエナメルの唇が、ゆっくりとこういった。
「あなたのこと、すきだけど、まだ、よくわからないの」 やはり食事の時間で、やはり彼女は魅惑的なまなざしで、テーブルの上の炉辺焼きのようになった、六本木芹名で、運んでくるウエイタの、不安げなまなざしを見た。 彼女は、売れない拒食症気味のモデルだが、彼と一緒にいると猛烈なオーダーをし、グラスの山をテーブルにつくる。 美しいが、その強烈な食欲はとどまることもなく、宴会は続く。 私はただ彼女の口元をながめて、どんどん皿が平らげられていくのを、にこにこしながら、見ているだけで、それは、愛のある風景で、彼女は、やがて、眠くなり、帰りのタクシーでは眠りこけてしまうのだった。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
May 10, 2006 07:31:40 PM
コメント(0) | コメントを書く |
|